1997 Fiscal Year Annual Research Report
低温STM/AFMおよび放射光を用いた分子吸着構造の研究
Project/Area Number |
09650720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
八木 伸也 広島大学, 放射光科学研究センター, 助手 (20284226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 賢也 広島大学, 放射光科学研究センター, 助手 (10284225)
GHIJSEN Jacq 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50291224)
橋本 英二 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50033907)
生天目 博文 広島大学, 放射光科学研究センター, 教授 (10218050)
谷口 雅樹 広島大学, 理学部, 教授 (10126120)
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Keywords | STM / AFM / 放射光 / 分子吸着 / 表面構造 / クライオスタット / Si(111)7×7 / CH_3CN |
Research Abstract |
平成9年度の研究内容については以下の通りである。 1:クライオスタットの設計・製作および立ち上げ。 2:Si(111)7×7表面におけるアセトニトリル(CH_3CN)分子の吸着構造の研究。 以下、それぞれの研究項目についてその結果をまとめた。 1:このクライオスタットは、液体窒素を溜め込むことで液体窒素クライオスタットになり、液体ヘリウムを一定の流量で輸送することで液体ヘリウムクライオスタットとして利用が可能なものである。液体窒素冷却では、室温から10分程度で約80Kまで試料温度が降下した。そして一度液体窒素を補充すると約3時間は、最低温度を保持する能力が有ることがわかった。一方の液体ヘリウム冷却については、試料ホルダに改良を加えた後に行う必要があり現段階では行っていない。 2:Si(111)表面は、清浄表面処理を行った後に7×7の再構成表面となることがしられており、この構造を測定することで、本研究で用いるSTM装置が原子分解能を有することを確認した。次にSi(111)基板を液体窒素によって冷却し(80K)、アセトニトリル分子(CH_3CN)をできるたけ少量(1層以下)吸着になるようにアセトニトリルの分圧を調整して試料を得ることができた。その状態でSTM観察を行ったところアセトニトリル分子は吸着量に依存して次のような規則性を持って吸着していることがわかった。 ・Si(111)7×7表面の1ユニットで、faulted領域とunfaulted領域にまたがるように吸着している。 ・吸着量が増加していくと、分子が鎖のように連なって吸着する。 ・飽和吸着状態では、コーナーホールまわりの6つの原子を残して、その周囲を取り囲むように吸着する。
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Research Products
(1 results)