1998 Fiscal Year Annual Research Report
精密重合法を用いた末端型C_<60>オリゴマーの合成とその応用
Project/Area Number |
09650979
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宮本 武明 京都大学, 化学研究所, 教授 (60027050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呑海 信雄 新潟県立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (90237181)
箕田 雅彦 京都大学, 化学研究所, 助手 (30229786)
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Keywords | 安定ニトロキシル / リビングラジカル重合 / C_<60>含有ポリマー / C_<60>-1,4付加体 / ポリスチレン / ポリビニルフェノール / 単分子分散 / 多分子ミセル |
Research Abstract |
新規な炭素同素体であるフラーレンC@@S260@@E2を機能性素材として利用するためには、汎用有機溶媒に対する溶解性や成型加工性を改善する必要があり、C@@S260@@E2のポリマー誘導体化は有力な手段となりうる。本科学研究費補助金による平成10年度の研究では、安定ニトロキシルを用いた“リビング"ラジカル重合法による各種C@@S260@@E2含有ポリマーの精密合成を検討し、さらにそれらの構造・機能特性についても検討を加えた。得られた成果を以下にまとめた。 1. リビングラジカル重合法を用いて合成した単分散ポリスチレン(PS)-ニトロキシル付加体から高温で遊離するPSラジカルのC@@S260@@E2に対する付加反応を詳細に検討した結果、C@@S260@@E2の特定部位(1,4位)に長さの揃った2本のPS鎖が付加したC@@S260@@E2誘導体が合成出来ることを見いだした。本法は、簡便で効率的なC@@S260@@E2含有ポリマーの新規合成法として有用である。 2. 上述の結果に基づき、2本の単分散ポリスチレン(PS)、ポリ-p-ビニルフェノール(PVP)あるいはPSとPVPの2元ブロック連鎖(PS-PVP)を枝ポリマーとする一連のC@@S260@@E2含有ポリマー、それぞれC@@S260@@E2-(PS)@@S22@@E2、C@@S260@@E2-(PVP)@@S22@@E2およびC@@S260@@E2-(PS-PVP)@@S22@@E2を合成し、有機溶媒中における多分子ミセル形成などの溶解挙動を検討した。何れのポリマーもほぼ分子設計通りに合成されたことを確認すると共に、誘導体のC@@S260@@E2部位換算での最大溶解度は枝ポリマーの種類と分子量に強く依存することを実験的に明らかにした。 3. 分子量を異にする一連のC@@S260@@E2含有ポリスチレン誘導体(C@@S260@@E2-(PS)@@S22@@E2)を合成し、ポリスチレンマトリックスに対する溶解挙動をUV測定により検討した。その結果、C@@S260@@E2-(PS)@@S22@@E2は枝ポリマーの鎖長に依存してバルクおよびブレンドフィルム中で単分子分散もしくは多分子ミセル形成することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Okamura: "Preparation of water-soluble pullulans bearing pendant C_<60> and their aqueous solubility" Macromol.Rapid.Commun.20-2. 41-45 (1999)
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[Publications] H.Okamura: "Solubility characteristics of C_<60> fullerenes with two well-defined polystyrene arms in a polystyrene matrix" Macromol.Rapid.Commun.20-2. 37-40 (1999)
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[Publications] H.Okamura: "Solubility and micellization behavior of C_<60> fullerenes with two well-defined polymer arms" Macromolecules. 31-6. 1859-1865 (1998)