1997 Fiscal Year Annual Research Report
半自然環境:農村の環境整備における目標環境水準とその達成計画に関する研究
Project/Area Number |
09660254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
富田 正彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60074051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 章 東京農工大学, 農学部, 教授 (30021091)
高橋 滋 宇都宮大学, 農学部, 講師 (00114166)
水谷 正一 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70093143)
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Keywords | 農村 / 地域生態系 / 農業技術 / 生活技術 / 人間と自然の共生 |
Research Abstract |
本研究は、生産生活が近代化する以前の1960年頃の事例地区の生態系構造と現在の生態系環境を把握した上で、まず近代化以前での地域の人間活動と生態系の共生構造を解明し、次に地域の人間活動の近代化の行方と共生しうる新たな地域生態系構造を、先に解明された共生関係の構造を援用して導出する。そしてこの新たな生態系構造へ現在の生態系構造を接近させる保全・整備行為の必要十分要件を導き出すものである。 平成9年度には、農村自然環境整備事業(総合型)の第1号実施地区の西鬼怒地区を事例として研究計画の前半を実施した。まず環境の現況については事業計画の策定過程での環境調査を援用し、補足調査を加えて地域生態系の現状賦存状況を把握した。 次に、共生構造の把握については、地域に昔から住んでいて近代化以前の地域の状況を熟知している50才前後から70才前後までの住民からなる20人程度の住民グループを編成して1960年頃の1/2500地図を囲んでのワークショップ形式で当時の地域生態系環境を想起させ、地図上に整理した。そして当時の地域の生産生活がその地域生態系とどう関わっていたかをグループ討論させ、これを記録、分析して当時の地域生態系と地域住民の人間活動との共生関係を構造的に明らかにする方法で行った。ワークショップの成果は生態系、人間活動系それぞれで要素に分解して各要素間の連関関係をデータ化して記憶上に蓄え、そのリンクの持続性を共益性を判断基準として物質循環構造上の連関線を辿って逐一検討する方法で生態系と人間活動系の共生関係を解析・整理して一般化共生構造を導いた。
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