1997 Fiscal Year Annual Research Report
水面加熱・冷却による浅い停滞性水域段落部の密度流に関する研究
Project/Area Number |
09660262
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 健 九州大学, 農学部, 助教授 (50117272)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 和昭 九州大学, 農学部, 助手 (10199094)
四ヶ所 四男美 九州大学, 農学部, 教授 (80038265)
|
Keywords | 停滞性水域 / 水環境 / 密度流 / 熱対流 / 渦動拡散係数 / 混合層 |
Research Abstract |
本研究は、停滞性の強い、浅い閉鎖性水域における水環境の保全・改善のための水質予測モデルの確立を目的とする。モデル確立には、擾乱付加による水域内流動と水質物質輸送の定量的把握が重要となる。 まず、現地観測により、水面に付加される日サイクルの熱的擾乱による水温成層と混合層の発達・消滅過程が水質輸送に及ぼす影響について検討した。その結果、水質悪化が顕著となる夏期には、日射による水温成層の発達が水域内水質の鉛直輸送を抑制すること、これにより、下層が極度の貧酸素状態になること、一方、夜間の冷却による混合層の発達は、これに伴う密度流により水質の鉛直輸送が促進されることを明らかにした。 つぎに、水理実験により、熱的擾乱による段落部を有する水域の密度流現象について検討した。その結果、冷却期において、水深差に基づく水平方向の温度差に起因する密度流が、水域内循環流の規模大きくする効果を有することを明らかにした。 さらに、現地観測・水理実験結果に基づき、水質予測モデルに不可欠なパラメータである渦動拡散係数の鉛直構造を明らかにした。 以上の知見をもとに、熱的擾乱による停滞性水域内の流動および水環境物質の乱流輸送に関するモデルの構築を試み、その再現性が良好であることを確認した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Eisaku Shiratani: "Modeling of Nitrogen Discharge from a Bavley field" Rural and Environmental Engineering. 33. 37-53 (1997)
-
[Publications] 森 健: "浅い閉鎖性水域の流動と水質" 平成9年度農業土木学会九州支部シンポジウム論文集. 63-82 (1997)
-
[Publications] 平松 和昭: "人工知能(AI)による河川感潮域の水環境の予測" 平成9年度農業土木学会九州支部シンポジウム論文集. 1-22 (1997)