1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09660277
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山下 律也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (30026463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 博通 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (00258063)
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Keywords | 渋柿 / 脱渋 / ガス置換 / 品質保持 / 自動化 / ラックシステム |
Research Abstract |
本研究は,最適な脱渋処理条件を明らかにするための機構解明と自動ラックシステムにセットする脱渋処理装置の開発を内容としている。10年度の実施結果は,下記のとおりである。 (1) テスター用機器-気体置換装置は,ガス置換用の呼吸口付バック内に数個のテスト用の柿を入れ,バキュームポンプとガスボンベからなる置換装置を圧力計を介して結合して所定濃度のガスを封入する機器を作成した。 (2) ガス処理時間-ガス濃度95%以上の条件下における柿温と脱渋に要する最低時間の実験を行ったが,両対数グラフで直線を示した。ガス封入最低時間は既往の資料より求めた脱渋基準値より40Cで1/2に低減される。現在の施設は安全性を考えて25C,24時間を基準に処理しているが,35Cで処理すると1/4以下で対処できる。技術的問題点は,温度とガスの均一化の課題である。 (3) 加温による柿温上昇-コンテナ1層に4個3段堆積時の40C目標の昇温事例で測定した結果,5時間後の上下間温度差は12Cとなた。均一な通気ができる差圧方式を採用することにより解決するものと思われる。なお柿温上昇速度は指数関数的である。 (4) 荷扱い単位-20t施設では側面穴開きの20kg入り集出荷コンテナ約950個を一括処理している。差圧が採用出来ないために加温処理が困難で,結果的に無駄な時間を多くかけている。また大型化は荷扱いと整理に時間を費やし性能低下となるので,パレット単位の自動ラック方式(800kg前後)を基準とする荷口扱いが適当である。 (5) 新技術への対応-a)差圧利用による加温を採用すべく集出荷コンテナの通気口は底面のみに改良する,b)ハウス柿の軟化防止を含め脱渋テスターによりガス処理最適値を見いだしながら本格生産に当たる,c)0.8t単位とする自動ラックシステムを活用して連続的に処理する体制を構築する。 (6) 残された課題-脱渋所要時間はガス濃度差に影響される。この解明で低コスト化を図る。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山下律也 伊藤博通: "渋柿の脱渋操作の簡易化に関する研究(第1報)" 農業機械学会年次大会講演要旨(山形大学). 57号. 199-200 (1998)
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[Publications] 山下律也 伊藤博通: "多目的乾燥貯蔵システムの研究(第6報)" 農業機械学会関西支部報. 85号. 49-52 (1999)
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[Publications] 山下律也 伊藤博通: "渋柿の脱渋操作の簡易化に関する研究(第2報)" 農業機械学会年次大会講演要旨(佐賀大学). 58号. (1999)