1998 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌系における血管内皮増殖因子(VEGF)の発現と局在
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09670006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井関 尚一 金沢大学, 医学部, 教授 (50167251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 美由紀 金沢大学, 医学部, 助手 (60139780)
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Keywords | 血管内皮増殖因子 / VEGF / 免疫組織化学 / 内分泌腺 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
血管内皮増殖因子(VEGF)は、内皮細胞の受容体に働いて血管増生および血管透過性亢進をおこす分泌蛋白である。ラットVEGFの合成ペプチドへの抗体(IBL社)を用いた光顕および電顕的免疫組織化により成熟ラットの全身器官を検索したところ、一部の内分泌細胞に強い免疫反応が得られた。隣接切片の抗ホルモン免疫染色との比較により、これらは下垂体のTSH細胞の一部、甲状腺の傍濾胞細胞、膵臓のB細胞、および副腎髄質のN細胞であると判明した。免疫反応は合成ペプチドによる吸収試験で消失したので、VEGFに特異的であることが示された。電顕的には免疫反応はすべての陽性細胞で内分泌顆粒に局在した。従来VEGFの遺伝子発現は肝臓、腎臓などの血管豊富な器官で報告されているが、本研究は一部の内分泌細胞がVEGFを分泌することにより周囲の微小血管の透過性を制御する可能性を示唆した(論文1)。 さらに同じ抗体による免疫組織化学において、ラットの喉頭から気管上部にかけての上皮、小腸の粘膜固有層、および大腸、特に盲腸の上皮にVEGF免疫陽性細胞が散在していた。電顕的には陽性細胞は肥満細胞の特徴を持ち、粘膜型肥満細胞(globule leukocyteとも呼ばれる)と同定された。免疫反応は細胞質顆粒に局在した。隣接切片の抗ヒスタミン免疫染色と比較すると、VEGF陽性細胞のヒスタミン免疫活性は非常に弱かった。一方、気道の粘膜固有層や消化管の粘膜下組織に存在するヒスタミン強陽性の結合組織型肥満細胞ではVEGF免疫活性は非常に弱かった。本研究は気道や消化管の粘膜型肥満細胞VEGFを分泌することにより周囲の微小血管の透過性を制御する可能性を示唆した。またVEGFが粘膜型肥満細胞を結合組織型細胞から区別する特異的マーカーになり得ることがわかった(論文2)。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fan,L and Iseki,S: "Immunohistochemical localization of vascular endothelial growth factor in the endocrine glands of the rat" Archives of Histology and Cytology. 61・1. 17-28 (1998)
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[Publications] Fan,L and Iseki,S: "Immunohistochemical localization of vascular endothelial growth factor in the globule leukocyte/mucosal mast cells of the rat respiratory and digestive tracts" Histochemistry and Cell Biology. 111・1. 13-21 (1999)