1997 Fiscal Year Annual Research Report
線溶系因子ノックアウトマウスにおける血管新生の解析
Project/Area Number |
09670062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
深尾 偉晴 近畿大学, 医学部, 助手 (70218874)
上嶋 繁 近畿大学, 医学部, 助教授 (30193791)
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Keywords | 線溶系因子欠損マウス / 組織修復 / 血管新生 / カプセル / フィブリン / t-PA / u-PA / PAI-1 |
Research Abstract |
平成9年度の第1の研究計画である線溶系因子欠損マウスの作製に関しては、これまでに組織性プラスミノゲンアクチベータ(t-PA),ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(u-PA),u-PAレセプター(u-PAR)およびタイプ1プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI-1)をそれぞれ単独で欠損する(いずれもホモザイガス)マウスの作製に成功した。現在、これらのマウスの交配・飼育を繰り返し、安定して実験に供することができる体制が確立されつつある。 平成9年度の第2の研究計画である野生型マウスへのカプセル移植による組織修復モデルを用いた組織修復過程におけるフィブリンの効果の検討に関しては、カプセル内に侵出、増殖した肉芽組織の重量を経時的に測定し、以下の結果を得た。すなわち、移植後14日まではフィブリンを含むカプセル移植群のカプセル内肉芽重量は中空カプセル移植群のそれに比べて明らかに有意な増加を認め、以降35日まで増加の傾向を示した。一方、カプセル内湿滲出液の体積は移植後35日まで両群で有意差はなかった。以上の結果から組織修復の早期にはフィブリンの存在が修復速度を亢進させることが示された。現在、さらに修復速度の制御を細胞学的見地から解析するために、肉芽組織中の血管新生および組織細胞中の線溶系因子の遺伝情報発現などについて検討を進めている。
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