1998 Fiscal Year Annual Research Report
LIM・PDZ構造を持つLIMK2の機能解析と発生分化及び癌化に於ける役割の解明
Project/Area Number |
09670170
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Research Institution | Aichi Cancer Center |
Principal Investigator |
長田 啓隆 愛知県がんセンター, 病態学研究室, 室長 (30204176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 彰 愛知県がんセンター, 超微形態学部, 主任研究員 (50157202)
高橋 隆 愛知県がんセンター, 超微形態学部, 部長 (50231395)
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Keywords | 肺癌 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
我々は蛋白-蛋白結合に関与するHM-PDZドメインとキナーゼドメインを持つLIMK2遺伝子を単離し、この遺伝子の各種組織の発生分化及び癌化への関与の解明を目指し、昨年度に続き本年度も検討を進め、以下のような成果を得た。 HMK2遺伝子の2種のisoformの組織特異的な発現制御機構とその生物学的機能の解明を目指して、昨年度に単離解析を進めていた2種のisoform各々のプロモーター領域の解析を、本年度は更に進めた。その結果、各々のプロモーターはともにTATA-1essプロモーターであり、単一の転写開始点を持つことが判明した。各々のプロモーターにおいて転写活性化・転写抑制領域を見出した。HMK2bの転写活性化領域には、一部の脳細胞の発生分化に必須と思われる核内レセプターのRORα結合部位が見られ、実際にLIMK2b高発現細胞株においては、RORαの発現が亢進していることが判明し、LIMK2b発現への関与が示唆された。又、LIMK2aの転写活性化領域とLIMK2bの転写抑制領域にMZF1結合部位が見られ、LIMK2a発現への関与が示唆された。この解析に伴い、ヒトLIMK2遺伝子が、LIMK2a特異的なエクソン1・2及びLIMK2b特異的なエクソン2b-1が40kb近い広い範囲に散在するという、マウスLIMK2と酷似した特異な構造をとることが判明し、このような特異な構造に基づく2種のisoformの転写調節の重要性が示唆された。 又、LIMK2遺伝子の細胞生物学的機能の解明を目指し、昨年度樹立したTet-offシステムでLIMK2a・2bが発現誘導される正常上皮細胞株を用いて、本年度はLIMK2発現による増殖能・細胞形態・分化マーカー等の変化を検討した。その結果LIMK2遺伝子の細胞周期・細胞骨格形成・細胞分化等における制御機能が示唆される結果を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yanagisawa,K.,et al.: "Induction of apoptosis by Smad3 and down-regulation of Smad3 expression in response to TGF-β in human normal lung epithelial cells." Oncogene. 17. 1743-1747 (1998)
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[Publications] Kondo,M.,et al.: "Molecular cloning of human TAKI and its mutational analysis in human lung cancer." International Journal of Cancer. 75. 559-563 (1998)
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[Publications] Takagi,Y.,et al.: "p53 mutations in non-small-cell lung cancers occurring in individuals without a past history of active smoking." British Journal of Cancer. 77. 1568-1572 (1998)
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[Publications] Yatabe,y.,et al.: "p27KIP1 in human lung cancers:differential changes in small cell and non-small cell carcinomas." Cancer Research. 58. 1042-1047 (1998)
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[Publications] Takahashi,T.,et al.: "Molecular analysis of a Myc antagonist,ROX/Mnt,at 17p13.3 in human lung cancers." Japanese Journal of Cancer Research. 89. 347-351 (1998)