1997 Fiscal Year Annual Research Report
ホジキン病におけるクローナルな免疫グロブリン遺伝子再構成の局在の検討
Project/Area Number |
09670183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 尚義 名古屋大学, 医学部, 教授 (90045732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敦雄 名古屋大学, 医学部, 助手 (50227964)
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Keywords | ホジキン病 / Bリンパ球 / 遺伝子再構成 |
Research Abstract |
ホジキン病を特徴づけるホジキン細胞やReed-Sternberg細胞の性格については未だ結論を見ていないが、ホジキン病のLP nodularタイプはB細胞由来であることは広く受け入れられている。また他のタイプのホジキン病についてもこれらの一部でB細胞の形質を有するものがあることや、southern法でJH遺伝子の単クローン性再構成を有するものがあることが知られている。このことから我々は30例のホジキン病につき免疫グロブリン遺伝子再構成とその転写についてPCR法によって調べ、25例のB cell non-Hodgkin′s lymphomaと比べた。 その結果クローナルなVDJ遺伝子再構成が6例のホジキン病に認められた。これらの6例のうちクローナルなVDJ遺伝子転写は、2例のみにRNA依存PCR法で見出された。これら2例のうち1例は組織学的にホジキン病とdiffuse, large cell lymphomaのcomposite lymphomaの所見を示した。 我々はin situ hybridizationにてクローナルVDJ遺伝子プローブを用いて遺伝子の単クローン性の局在を調べた。大細胞リンパ腫細胞は陽性に染まったが、ホジキン細胞やR-S細胞は非特異的染色像を呈した。一方non-Hodgkin B細胞リンパ腫では25例中24例で、免疫グロブリン遺伝子再構成とその転写との不一致は無かった。ホジキン病に於けるクローン性の遺伝子再構成とその転写との不一致はnon-Hodsgkin B細胞リンパ腫に於ける高度の一致率と大いに異なった。これらの所見からホジキン病を特徴づけるホジキン細胞ないしR-S細胞はVDJ遺伝子再構成を行っているが、転写機能が何らかの機能でうまく働かない細胞であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Mori N: "Primary gastric Hodgkin′s disease:morphologic,immunohistochemical, and immunogenetic analyses." Arch Pathol Lab Med. 119. 163-166 (1995)
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[Publications] Yatabe Y: "Poor correlation between clonal immunoglobulin gene rearrangement and immunoglobulin gene transcription in Hodgkin′s disease." Am J Pathol. 149. 1351-1361 (1996)