1998 Fiscal Year Annual Research Report
地域健康増進活動が健康寿命延長と有病量圧縮に与える影響
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09670397
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永田 耕司 長崎大学, 医学部, 講師 (60253647)
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Keywords | 健康寿命(無障害寿命) / 介護需要 / 要介護年数 / ADL(日常生活活動) |
Research Abstract |
長崎県の大島町、大島村、伊王島町の2町1村で保健婦等の協力を得て40歳以上の全住民約5000名の日常生活活動動作(ADL)レベルを評価し、ビジュアルベーシックで作成した「小集団での寿命の延長短縮を算出する計算ソフト:N-life」を用いて「障害のない寿命(健康寿命)」と「平均要介護年数」を算出した。 40歳以上で寝たきり度J,A,B,Cに分類された虚弱割合は大島町男性4.1%(1495名中61名)、女性5.9%(114/1927)、大島村男性8.0%(40/500)、女性7.0%(44/626)、伊王島町男性16.2%(45/278)、女性18.5%(73/394)であった。屋内での生活に介助を要す(B)と、1日中ベッド上で過ごし、介助を要す(C)の合計割合(1000人あたり)を見ても、大島町男性7.6、女性18.2、大島村男性20.0、女性12.8、伊王島町男性68.3、女性63.5と、一般に大島町で要介護割合が少なく、伊王島町で要介護割合が大きかった。B,Cレベルの介護を必要として生存する平均年数は大島町、大島村、伊王島町の順に男性で3.1,7.6,14.9年であり、女性では6.5,7.1,15.4年であった。自立して生存する年数は女性の方が3つの町村とっも長かったが、介護を必要とする年数も女性の方が長かった。Jレベル以下の虚弱者としての年数は、大島町男性12.3年、女性15.7年、大島村男性15.1年、女性13.3年であったが、伊王島町では男性30.8年、女性36.3年となった。これは虚弱な人の割合が大きい場合の補正が不十分なため過大評価された結果である。いずれにせよ伊王島町での介護需要が極めて大きいことが伺われた。その主要因は循環器系疾患、加齢による障害、精神障害の多いことであった。
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