1997 Fiscal Year Annual Research Report
非アトピー性ぜん息の発症要因と発症機序についての研究
Project/Area Number |
09670400
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
前原 正法 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (50244215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常俊 義三 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (40108585)
山田 隆司 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (40274807)
|
Keywords | Epidemiology(疫学) / Asthma(喘息) / allergy(アレルギー) / Air Pollution(大気汚染) / School Children(学童) |
Research Abstract |
非アトピー性ぜん息の発症要因及び発症機序を明らかにするために、大気汚染度が異なる大阪市内(1校)大阪府下(1校)宮崎県下(6校)の学童2,725名を対象にATS-DLDを基に作成された質問調査票(環境庁改定版)により症状及び家庭内環境調査を行い、また全対象者についてFlow-Volume Curve Recoderによる呼吸機能検査、保護者の承諾が得られた学童について血清中非特異的IgE検査及びIgG検査を行った。 調査票の回収率は99.1%、呼吸機能検査は99.2%、血液検査率は74.4%であった。 ゼン息の有症率は大気汚染濃度が高い地域ほど高率であったが、非特異的IgEの分布及び陽性率に地域差がみられず、また、IgE群のゼン息有症率には地域差がみられなかったが、IgE正常群の有症率には地域差がみられ大気汚染濃度の高い地域で有症率が高率となる傾向がみられた。この結果は大気汚染が高度な地域ではI型アレルギーの依存しないゼン息の発症を示唆するものであった。 IgE以外の免疫グロブリンについての測定結果ではIgG抗体およびそのサブクスはゼン息群で高く、特にIgG_1は大気汚染度が高い大阪市内の学童で高い値をしめした。この結果は大気汚染によるゼン息の発症はI型アレルギーによるものでなく、大気汚染物質に曝露されたマクロファジ-や気道の上皮細胞が種々のサイトカインや化学伝達物質を放出することにより気道の過敏性の亢進、感染を助長しゼン息の発症を引き起こすものと考えられるが、これらの点については次年度の研究で更に詳細に検討する予定である。
|