1998 Fiscal Year Annual Research Report
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09670428
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Research Institution | THE INSTITUTE FOR SCIENCE OF LABOUR |
Principal Investigator |
前原 直樹 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (60165660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 司 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | 職務ストレス / ストレス状態 / 過労 / 睡眠不足 / 常夜勤 / タクシー運転手 / 心室性期外収縮 / 虚血性変化 |
Research Abstract |
今年度の研究では、タクシー運転手のVPC出現頻度の増加に果たす運転作業での職務ストレスstressの役割を、健康診断の心電図で虚血性変化や心室不整脈を指摘され、降圧剤を服用をしていた43歳の男性常夜勤タクシー運転手(運転歴15年、勤務歴4年)の事例で検討した。運転手の勤務は、所定時刻が月曜日から金曜日の17時から翌朝4時までの「ナイト勤務」 (休憩時間はその間に1時間で、時間外勤務は認められていない)である。3日間(同乗調査)の2回にわけ実施された。 心筋に虚血性変化が推定された対象運転手の場合、夜間勤務が連続して長く続き、睡眠不足が推定されるような体調変化の中で、営業運転という状況がVPC出現の誘因となり、また、その営業収入を挙げる努力や工夫、さらにそれが達成されないような状況が繰り返し刺激となりVPC発生の閾値を低下させ、その出現頻度を増加させていたと推定された。これらは、ダブルプロダクトの高値、心電図の虚血性変化、さらに尿中アドレナリン排泄量の亢進がVPC出現頻度の増加をもたらし、さらに深夜の運転後半での低額の営業収入といらいら感の増加の重なりが見られたことから示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 前原直樹,佐々木司,李卿,他: "夜勤タクシー運転手のVPC出現増加に果たす職務ストレスの役割" 労働科学. 75(1). 1-27 (1999)
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[Publications] Mori K, et al.: "The evaluation of catecholamineasa a stress indicator in field sutudies-from some cases in shift workers." Proceedings of Second International Conference on Human-Environment System(ICES'98). 11/30〜12/4. 287-290 (1998)
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[Publications] Maehara N, et al.: "Effects of mid-night driving job stress on increase in the ventricular prematurecontraction(VPC) frequency of a taxi driver." 2nd World Congress on Stress. 10/25-10/29. Melbourne. (1998)
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[Publications] 前原直樹,佐々木司,渡辺明彦,他: "労働現場での尿中17-KS-S測定の意義" 臨床病理. 46(6). 553-559 (1998)
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[Publications] Uehata T, et al.: "A proposal of preventive strategy of cardiovascular disease at work place in Japan." Second International Conference on Work Environment and Cardiovascular Disease.3/25-3/29. Tel Aviv (1998)
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[Publications] 前原 直樹: "常夜勤製パン作業員脳出血発症に果たした職務ストレスの役割" 労働科学. 73(5). 171-185 (1997)