1997 Fiscal Year Annual Research Report
熱射病及び脱水症における熱ショック蛋白の発現と局在
Project/Area Number |
09670455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山崎 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (80220309)
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Keywords | 脱水症 / ラット / 熱ショック蛋白 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
最初にラットを水分非摂取群と対照群に分けて、非摂取群は水分を摂取させず12時間放置、対照群は水分は自由に摂取させた。各群とも12時間後ネンブタール麻酔化にて腎臓、心臓、大脳皮質、大脳視床部を取り出した。 取り出された臓器は10%中性緩衝ホルマリンにて固定しパラフィン包理後組織切片を作成し、常法によりヘマトキシリン=エオジン染色する他に 抗熱ショック蛋白(Heat Shock Protein(HSP))-70、抗HSP-90、抗HSP-60、抗HSP-27を各々一次抗体をして、Strept-avidin biotin complex法を用いた免疫組織化学染色法にて各々の熱ショック蛋白の発現と局在を光学顕微鏡にて鏡検し、この鏡検所見を前述の2群間で比較し、脱水が各熱ショック蛋白の発現にもたらす影響の検討を試みた。 現在のところ抗体等試薬の調整、予備実験はほぼ終了しつつあるが、染色態度については両群間で差が認められる例と認められる例とがあり、再現性の問題や水分摂取制限時間の検討等が残されている。また今回は熱ショック蛋白のパラメータとして現在HSP-70、HSP-90、HSP-60、HSP-27の4種類で検討しているがいずれの熱ショック蛋白が最も良い指標となるかも検討しなければならないと思案している。さらに実際の法医剖検例においては脱水症による死亡例で死後変化等判定の阻害要因のない症例は得難く、実際の剖検診断に有用であるか否かは未だ確定できない状況である。 これらの諸問題を解決すべく平成10年度には実験計画を進行させていく予定である。
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