1998 Fiscal Year Annual Research Report
熱射病及び脱水症における熱ショック蛋白の発現と局在
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09670455
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Research Institution | St.Marianna University |
Principal Investigator |
山崎 健太郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (80220309)
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Keywords | 熱ショック蛋白 / 脱水症 / ラット / 腎臓 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
最初にラットを水分非摂取群と対照群に分けて、非摂取群は水分を摂取させず40時間放置、対照群は水分は自由に摂取させた。各群とも40時間後ネンブタール麻酔下にて腎臓を取り出した。当初の計画に比べより集約的に研究成果を挙げるために脱水症に的を絞り、そのかわり放置時間を40時間に延長さらに対象臓器を心臓、大脳皮質、大脳視床部、腎臓から腎臓単独で検討した。 取り出された臓器は10%中性緩衝ホルマリンにて固定しパラフィン包埋後組織切片を作成し、常法によりヘマトキシリン=エオジン染色する他に 抗熱ショック蛋白(Heat Shock Protein(HSP))-70、抗HSP-60、抗HSP-27を各々一次抗体としてStrept-avidin biotin complex法に代わりAvidin biotin complex(ABC)法を用いた免疫組織化学染色法にて各々の熱ショック蛋白の発現と局在を光学顕微鏡にて鏡検し、この鏡検所見を前述の2群間で比較し、脱水が各熱ショック蛋白の発現にもたらす影響の検討を試みた。また前年度試みたHSP-90に関しては染色性が悪くまた抗体も前3者とは扱い方が異なるため今年度は検討対象からはずした。 その結果、HSP-27において脱水群の腎尿細管に対照群に比して強い染色性を認め、さらにヘマトキシリン=エオジン染色において遠位尿細管の水腫様変化を認めた。しかしながらいずれのHSPについても対照群においても程度の差はあれ染色性を認め、今後HSPの定量を含めたより厳密な方法を検討する必要があると思われた。また実際の剖検例では死後時間などに問題があり適当な事例がなかたっため今年度も検討しなかった。
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