1997 Fiscal Year Annual Research Report
細菌性スーパー抗原経口投与による全身・消化管粘膜免疫応答の調節と臨床応用-経口寛容誘導を用いた炎症性腸疾患(IBD)の新たな治療法の開発-
Project/Area Number |
09670542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤山 佳秀 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70111896)
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Keywords | 経口寛容 / スーパー抗原 / 炎症性腸疾患(IBD) / コラーゲン誘導関節炎 |
Research Abstract |
1.SEB経口投与によるコラーゲン誘導関節炎(CIA)発症抑制の機序に関する検討 DBA/1JマウスにSEB(1μg/mouse/day)の連日経口投与し、2週後にtype II collagen(CII)200μgをFCAとともに免疫し、さらに3週後にCII(200mg)をブ-スター投与してCIAを作成。ブ-スター投与直後、1、2週後に脾臓およびパイエル板よりT細胞を採取し、APCとともに12、36時間培養した後、FACSにてTCR-Vβ8陽性T細胞を分離してRT-PCRによりIL2、IL4、IL5、IL6、IL10、TGFβ、INFγ各mRNAの発現を検討した。この結果、SEB経口投与群ではin vitroでの脾臓Vβ8陽性T細胞のCIIおよびSEB刺激によるサイトカインメッセージの発現がTh1からTh2へシフトしTh3が誘導されていることが、IL2、INFγ発現ピークの遅延、IL4発現ピークの早期化およびTGFβの誘導から推察され、これがSEB経口投与によるCIA発症抑制の機序となっていることが示唆された。(第18回日本炎症学会ワークショップで発表) 2.IBD動物モデルに対するSEB経口投与の発症抑制に関する検討 C57BL/6マウスにSEB(1μg/mouse/day)を連日10、20日間経口投与し、投与終了1週後より1%DSSを7日間自由飲水させた。SEB投与群で体重減少の抑制、大腸全長短縮の抑制、組織学的に潰瘍長の短縮が得られたが、DSS長期投与にてその効果は消失した。DSS投与によりTCR-Vβ8陽性T細胞のSEBに対するanergyの解除がみられることが発症抑制に至らなかった理由と推察され、経口寛容の維持が今後の課題である。 TCR-α鎖KOマウスは、30週齢以降にその40%前後が大腸炎を自然発症する。本マウス大腸炎発症に対するSEB経口投与の効果を4週齢より週2回投与して検討中である。
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Research Products
(1 results)