1997 Fiscal Year Annual Research Report
粥状動脈硬化におけるアポトーシスのメカニズムと病態生理学的意義-LDLノックアウトマウスを用いた検討-
Project/Area Number |
09670707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鷹津 久登 岐阜大学, 医学部・付属病院, 講師 (20187975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 久義 岐阜大学, 医学部, 教授 (80115930)
竹村 元三 岐阜大学, 医学部・付属病院, 助手 (40283311)
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Keywords | アポトーシス / LDLレセプターノックアウトマウス / 粥状動脈硬化 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に沿って以下の結果が得られた。 1)LDLレセプターノックアウトマウスの大動脈における粥状動脈硬化の作成 LDLレセプターノックアウトマウスを導入し、繁殖を開始した。生後2カ月齢より高脂肪食投与群と通常食投与群に分け飼育した。負荷後3カ月、7カ月、8カ月後にsacrificeして上行大動脈の組織学的検討を行った。この結果、負荷後3カ月ではいまだ十分な粥腫の成長がなく検討に値しないことが判明し、今後は7カ月、8カ月後あるいはそれ以上の年齢にてアポトーシスの検討を行うこととした。 2)アポトーシスの検索 光顕レベルでのin situ nick end labelling(TUNEL)法による染色を施行した。7カ月高脂肪食飼育群では内膜下にTUNEL陽性の細胞の点在を確認した。これによりLDLレセプターノックアウトマウスの動脈硬化病変にアポトーシスが関与していることが明らかとなった。 3)アポトーシス関連蛋白の発現 アポトーシス促進因子Bax,Fas,ICE(inter leukin-1β-converting enzyme)およびアポトーシス抑制因子Bcl-2について免疫組織学的に検討した。Bax,ICEの発現は7カ月高脂肪食飼育群で陽性の所見を得たが、その染色性は内膜、中膜ともに比較的均一であった。また、Bcl-2が内膜下に発現しておりこれらのアポトーシス関連蛋白の発現の増減が粥状動脈硬化の進展に関与していると思われた。
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[Publications] 国島明久 他: "LDLレセプターノックアウトマウスの粥状動脈病変におけるICE、Bax Bcl-2の発現について" 動脈硬化. 25. 131 (1997)
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[Publications] 鷹津久登 他: "Cardiac sympathetic nerve function assere by [^<131>Z]-metaiods" J Nucl Cordial. 4. 33-41 (1997)