1998 Fiscal Year Annual Research Report
血管内照射を目的とするRadionuclide stent systemの開発
Project/Area Number |
09670923
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 元一郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (20115489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 哲夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (30115498)
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Keywords | 金属ステント / 内膜増殖 / 血管内放射線治療 / 密閉小線源治療 |
Research Abstract |
血管拡張維持用医療器材のーつとして重要である金属ステントには、偽内膜過剰増殖等による再狭窄という厄介な問題を残している。我々も薬物投与による内膜増殖防止に関するステントの研究(平成7,8年度科研費一般研究C)を行ったが、アシギオテンシン転換酵素阻害薬のイヌ、サル、ヒトにおける限界を知るに至った。一般に、冠動脈、浅大腿動脈、TIPS(軽皮的肝内門脈肝静脈短絡術)などにおけるステント再狭窄率は30〜50%と言われている.我々も、Budd-Chiari症候群、TIPSなどステント再狭窄に、再PTA,Atherectomyカテーテルによる削除、再stentingなどで対処してきた.我々は、悪性腫瘍による頚動脈穿破を予防するために留置したWallstentに再狭窄がみられないことを経験した。その原因の一つとして過去に受けた頚部放射線治療が内膜増殖防止に寄与している可能性を推定している。また、ステントを留置することにより血管周囲の腫瘍の剥離術は血管損傷をさせずに円滑に進められることを確認したが、頚動脈壁に薄く腫瘍が残存して、将来ステント内腔へ腫瘍が進展する可能性も考慮しなければいけない。以上の経緯から、ステント内腔の偽内膜過剰増殖の防止と残存腫瘍に対する血管内放射線治療を目的としてステント留置システムを開発する必要性を考えるに至った。とりあえず、現在密封小線源治療に用いられている192Ir seedを適切な位置に最適な線量分布が得られるdouble balloon catheterを試作した。このballoon catheterとマイクロセレクトロンHDRのフレキシブルカテーテルの組み合わせによって適切な線量分布が得られた。つぎに、頚動脈、腸骨動脈,肝内TIPS路内に留置されたWallstent 内腔にこのsystemを挿入しての臨床応用を計画したが、本邦では、本法の使用に正式な認可が得られておらず実施するには至っていない。動物実験により安全性を確認したうえで、患者からinformed consentが得られれば実施する予定である。血管内照射の前段階として動物実験センターで外部照射による予備実験を行う予定であったが実験動物の照射装置の故障により十分な成績が得られておらず継続して研究を行う予定である.
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