1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670940
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
蓮尾 金博 国立国際医療センター研究所, 研究員 (40128070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 太 九州大学, 医学部, 助手 (80253615)
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Keywords | 神経血管圧迫症候群 / 顔面痙攣 / 舌咽神経痛 / 経カテーテル治療 |
Research Abstract |
本年度は基礎的検討と臨床的検討を行った。 基礎的検討として、本法に使用可能と考えられた細径ガイドワイヤーならびに細径カテーテルを購入し、その性能を試験するとともに、ガイドワイヤーに加工を加えることで、性能の向上を計った。その結果、ガイドワイヤーの屈曲は可能であったが、カテーテルに対する屈曲力は十分ではなく、ガイドワイヤーの材質ならびに構造に関して引き続き改良を加えることが必要と考えられた。 臨床的検討として、神経血管圧迫症候群の中で、片側顔面痙攣と舌咽神経痛の患者に対して細径ガイドワイヤーならびに細径カテーテルを責任血管へ導き、痙攣の解除あるいは疼痛の誘発テストを行った。その結果、片側顔面痙攣においては、MRIにより後下小脳動脈による神経圧迫が疑われたため、ガイドワイヤーを後下小脳動脈へ挿入したところ、痙攣の消失を見た。舌咽神経痛においては、MRIで責任血管の確認は困難であったが、血管造影所見上、後下小脳動脈による圧迫が考えられたため、ガイドワイヤーを挿入したところ、1例においては疼痛は誘発されなかったものの、1例において疼痛の出現を見、後下小脳動脈の圧迫が舌咽神経痛の原因であることが明らかとなった。 本年度の研究では、本法に使用する器材の性能を試験することで今後の器材の改良・開発への問題点を明らかにするとともに、本症に対する非外科的除圧術の基本的技術としての神経血管圧迫の責任血管への経血管的アプローチ技術を確立した。同時に、本法の方法論の根拠としての本症における責任血管に対する機械的操作による圧迫解除の可能性が臨床例において確認できた。
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