1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670940
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
蓮尾 金博 国立国際医療センター研究所, 研究員 (40128070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 太 九州大学, 医学部, 助手 (80253615)
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Keywords | 神経血管圧迫症候群 / 顔面痙攣 / 経カテーテル治療 / MRI |
Research Abstract |
本年度は臨床的検討として神経血管圧迫症候群におけるMRIの診断精度に関する検討を行った。これは非外科的神経血管除圧術の適応決定には画像診断が不可欠と考えられることから、画像診断法の中で最も有力と考えられるMRIの有用性を確認する目的で行ったものである。手術により確定診断の得られた片側顔面痙撃症例のうち、術前に3次元グラディエントエコー法による2種類のMRI撮像法を行った9例について検討した。撮像法は造影後3D-FISP法とCISS法である。検討方法は、顔面神経のroot exit zone(REZ)での圧迫の有無を造影後3D-FISP法単独の場合と造影後3D-FISP法とCISS法を併用した場合について4名の読影者が100段階評価を行い、これをもとにreceiver operatingcharacteristic(以下ROC)解析によりAz値を求め、造影後3D-FISP法単独の場合と造影後3D-FISP法とCISS法を併用した場合とで比較検討した。その結果、読影者4名のAz値の平均は造影後3D-FISP法単独の場合で0.92、造影後3D-FISP法とCISS法を併用した場合には0.96であり、pairedt検定により5%以下の危険率で後者が有意に高いという結果であった。造影後3D-FISP法は血管の描出に優れ、圧迫の責任血管の同定に有用であるが、顔面神経の描出は必ずしも明瞭ではないのに対し、CISS法は血管の同定は造影後3D-FISP法に劣るが、顔面神経の描出は良好で、REZ付近での責任血管と顔面神経との関係を明瞭に描出できることから、造影後3D-FISP法とCISS法を併用することにより、片側顔面痙攣における神経血管圧迫がより正確に診断できると考えられた。 本年度の研究では、非外科的神経血管除圧術の適応決定の手段の一つとして3次元グラディエントエコー法によるMRI撮像が極めて有用であることが確認できた。
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