1997 Fiscal Year Annual Research Report
ラジオサージェリーによる大脳白質損傷のMRスペクトロスコピーによる解析
Project/Area Number |
09670941
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
越智 誠 長崎大学, 医学部, 助教授 (00145393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 靖之 長崎大学, 医学部, 助手 (90218587)
森川 実 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (20284705)
林 邦昭 長崎大学, 医学部, 教授 (80039536)
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Keywords | MRスペクトロスコピー / ラジオサージェリー |
Research Abstract |
直線加速器を用いた定位的放射線手術(ラジオサージェリー)が行われた症例のうちMRスペクトロスコピー(MRS)がなされた症例は11例で,このうち3例ではラジオサージェリーの前後でMRSが、残りの8例では治療後のみのMRSが撮られている.症例の内訳は女性3例,男性8例,年齢は37歳から71歳,平均52.5歳.疾患は動静脈奇形4例,転位性膿腫瘍4例,髄膜種2例,悪性黒色腫1例.使用した装置はGE Signa Horizon 1.5T,MRSはSingle voxel PRESS法(TR2000/TE30または136)で行った.ラジオサージェリーの前後でMRSが撮られた3例のうち,動静脈奇形の2例ではナイダス近傍の白質のMRSは治療前後とも正常パターンを呈していた.悪性黒色腫の1例の腫瘍部分では,治療前ではコリン化合物(Cho)と乳酸の上昇とN-アセチルアスパラギン酸(NAA)の相対的低下が見られ,治療前後では乳酸の減少が出現し嫌気性代謝の低下が示唆された.治療後のみにMRSが撮られた動静脈奇形の1例でナイダス近傍の白質でNAAのピークが対側と比べて低下しており,放射線による白質損傷が示唆された.髄膜腫の腫瘍部分のサンプリングではChoと乳酸の上昇が見られ,NAAのピークは見られなかった.転移性脳腫瘍では治療後もリピッドのピークが認められ,Choとクレアチン/クレアチンリン酸(Cre)のピークが認められず,腫瘍および脳実質の細胞膜崩壊・壊死が示唆された.転移性腫瘍の周囲の白質では,治療直後に見られた乳酸の軽度の上昇は約1ヵ月後に消失し,NAA/Cre,NAA/Choの相対的上昇が見られ,MRIでの浮腫の改善との関連が示唆された.
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