1998 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌に対する血管塞栓術における油性塞栓物質の開発に関する研究
Project/Area Number |
09670948
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中村 健治 大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00145781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 龍作 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90047085)
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Keywords | 油性塞栓物質 / 血管塞栓術 / 肝癌 / 肝動脈 / lipiodol / 油性造影剤 / CT / VX2癌 |
Research Abstract |
VX2実験腫瘍を移植した家兎肝に油性製剤を注入した際の腫瘍部の停滞量および腫瘍の描出能についてCTスキャンを行い検討した. 使用した油製剤は非ヨード化けし油と増粘剤(triolein)を含有し,lipiodolと比べて低粘稠度(p-l),等粘稠度(p-e),高粘稠度(p-h),lipiodolに増粘剤を加え高粘稠としたもの(Lp-h),およびlipiodolの5種類である. 実験方法は,VX2腫瘍肝移植家兎の大腿動脈から肝動脈内にカテーテルを挿入し,油製剤0.5ml/bodyを注入し,注入直後から経時的にCTスキャンを行った. 注入直後のCTスキャン像では,腫瘍部への油性製剤の停滞は良好で,腫瘍は低吸収域として描出され,造影剤注入により腫瘍辺縁部が造影されるのが観察された.経時的観察では,腫瘍部の油製剤の停滞量は,Lp-hおよびp-hが長期間みとめられ,lipiodolやp-eよりも多量に停滞した.p-lの停滞量は他の製剤よりも少なく,早期に消失した. 以上より,腫瘍部への油性製剤の停滞がCTスキャンで低吸収域として観察でき,かつ造影剤注入により腫瘍部の血流遮断程度を評価できることが分かった
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