1998 Fiscal Year Annual Research Report
MRI拡散強調画像による視路の描出と視覚系脳機能の評価
Project/Area Number |
09670955
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
前原 忠行 順天堂大学, 医学部, 教授 (60010279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 成済 順天堂大学, 医学部, 助手
飯塚 有応 順天堂大学, 医学部, 講師
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Keywords | 拡散強調画像 / 視路 / 視覚系脳機能 / 拡散異方性 / MRI |
Research Abstract |
本研究の目的は、視覚の伝達路を拡散強調画像で描出し、視野障害例での病巣の広がり・治療効果や予後の判定における臨床的有用性を評価することである。平成9年度には、視路の平均的走行形態の検討と最適な拡散強調画像の撮像断面の決定を試み、ドイツ水平面にマイナス4度の角度で10mm程度のスライス厚を使用することにより視放線から視交叉までの視路を同一断面上に描出可能との結論を得た。平成10年度には、この撮像断面を使用して傾斜磁場の印加方法などの検討を行い、理想的な撮像法の開発を試みた。 1. はじめに、傾斜磁場(STGパルス)印加法による神経路の描出能の検討を行った。既に神経路の走行と直交する方向にSTGパルスを印加すれば、その他の組織との間に約2倍程度の信号強度差を付けることが可能なことが知られており、視路は前後方向に走行しているので、STGパルスの印加方向は上下方向と左右方向および両者について解析した。 2. 次に理想的な視路の撮像法に適したSTGパルスの強さ(B値)の評価を行った。 3. 以上の結果、STGパルスの印加方向は、いずれでも大きな差は見られないが、B値は十分に大きく設定することが必要で、これによって方向性を有さない組織の信号を落して、視路を優れたS/N比で描出できるとの結論を得た。 4. しかしながら、B値を大きくするには強いSTGパルスを長時間にわたって印加する必要があり、この為には高度な傾斜磁場コイルシステムが必要となる。当初、使用してきた装置(東芝社製VISART)では十分な画質が得られないことが判明した上、偶然の予算措置で最新の装置(東芝社製VISART-EX)に更改することとなり、平成10年9月から約5カ月間、実験を停止せざるを得ない状況となった。新装置の調整などが終了する2月以降、来年度にかけてさらに最適な撮像法の研究をすすめ、その上で臨床的有用性の評価を行う予定である。
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