1997 Fiscal Year Annual Research Report
精神病の再燃リスクと家族内ストレスの関係についての精神生理学的研究
Project/Area Number |
09670993
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
氏原 久充 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00213421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 誠一 高知工業高等専門学校, 講師 (90177816)
井上 新平 高知医科大学, 医学部, 教授 (20125826)
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Keywords | 精神病 / ストレス / 表出感情(EE) / 皮膚電気反射(GSR) / 脳波 / 心電図 / テレメーター |
Research Abstract |
本研究課題は、家族面接時の精神障害患者のストレス反応をテレメーターを用いて記録し、その定量的評価を試みるものである。本年度は患者を用いた研究への準備段階として、以下のことを行った。 1 皮膚電気反射(GSR)測定のために、ブリッジ回路を用いて入力部を製作した。この入力装置を、すでに神経精神科病棟内に設置済みのマルチテレメーターに接続し、健常ボランティアのGSRを記録した。病棟内で通常の活動を行っている状態でGSRが安定して記録でき、また、2〜3時間の記録では記録電極(銀-塩化銀電極)の分極も障害とならなかった。脳波・心電図についてはすでに安定して記録できることが判明しており、今後患者を用いてGSR・脳波・心電図の遠隔測定を行うことが可能となった。 2 カンバウエル家族面接による患者家族の表出感情の定量的評価を行った。患者家族は高い表出感情スコアを示すもの(高EE群)と、表出感情スコアの低いもの(低EE群)との2群に分類することが可能だった。この2群について家族面接時の患者のストレス反応を測定することにした。 3 本研究課題遂行につき、高知医科大学倫理委員会に申請した結果、充分なインフォームドコンセントと文書による同意の取得を条件として認可された。 4 研究備品として購入した音光刺激装置とマイクロマニュピレータを使って、患者の認知機能について評価するためのテストバッテリ-を考案しているところである。認知機能とストレス反応の関係についても検討していきたいと考えている。
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