1999 Fiscal Year Annual Research Report
先天性てんかんモデル脳におけるてんかん形成に関する遺伝子の解析
Project/Area Number |
09671000
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
撫井 弘二 大阪市立大学, 医学部, 講師 (20219835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝元 栄一 大阪市立大学, 医学部, 助手 (90271189)
木岡 哲郎 大阪市立大学, 医学部, 講師 (40254396)
山上 榮 大阪市立大学, 医学部, 名誉教授 (20047004)
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Keywords | ELマウス / RAP-PCR / Epileptogenesis / てんかん / Seizure |
Research Abstract |
てんかんの原因や病態を解明するため、様々な実験モデル動物を用いて検討を加えられているが、現在なお不明な点が多い。今回の研究では、ヒトの複雑部分発作の自然発症モデルといわれているELマウスを用いて、てんかん形成過程で誘導されてくる遺伝子の同定をRNA arbitrarily primed PCR法により試みた。 生後100日前後で、生後28日より放り上げ刺激を反復することにより発作準備性を獲得したEl(s)マウスと、刺激を与えず発作準備性を獲得していないEl(ns)マウスとで差異のあった20本のバンドから二次的PCR産物を合成し、pBSK IIにサブクローニングした。部分シークエンスを決定し、ホモロジーリサーチを行った結果、6個が新たに見つかったの遺伝子であり、ミトコンドリアのmRNAが3種、機能が明らかでなかったり、痙攣との関わりについては不明な遺伝子は9種、ゲノムDNA由来と思われるPCR産物が2種であった。ゲノムDNAとミトコンドリアのmRNAを除く15種の遺伝子についてNorthen blotting法により解析した。明らかなバンドを認めたものは2種で、ニューレキシンβと未知の遺伝子のmRNAであったが、El(s)、El(ns)マウス間で明らかな差異は認められなかった。13個の遺伝子については、本法によるmRNAの検出は困難であり、RNAプロテクションアッセイ法のよっても検出できなかった。そのため定量的RT-PCR法を施行した結果、2種の遺伝子についてはEl(s)、El(ns)マウス間で明らかな差異は認められなかった。残り1つの遺伝子はPipin protein遺伝子と考えられ、El(s)マウスで明らかに強いシグナルを認めた。この遺伝子はマウス脳内での役割については不明な点が多く、痙攣との関わりについても不明であり、現在、組織学的な検索を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T. Kioka, S. Yamagami, K. Mui and H. Onishi: "Nuclear polyadenylate polymerase activity in the brain of seizure-prone El mice"Psychiatr. Clin. Neurosci.. 51. 151-155 (1997)
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[Publications] 原田智行、撫井弘二、木岡哲郎 勝元栄一、古塚大介、山上榮: "GABAニューロンの遺伝子発現に及ぼす柴朴湯の影響"大阪精神神経科漢方研究会誌. 2. 35-38 (1998)
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[Publications] T. Ozaki, E. Katsumoto, K. Mui, D. Furutsuka and S. Yamagami: "Distribution of Fos- and Jun-related proteins and activator protein-1 composite factors in mouse brain induced by neuroleptics"Neuroscience. 84・4. 1187-1196 (1998)
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[Publications] 黒田陽子、撫井弘二、中西亜紀、古塚大介、大西博、山上榮: "自然発症てんかんマウス脳の蛋白質合成系におよぼす発作の影響"大阪てんかん研究会雑誌. 9・1. 1-9 (1998)
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[Publications] 尾崎宣洋、勝元栄一、撫井弘二 山上栄: "抗精神病薬によって誘導されるNerve Growth Factorのin situ hybridization法と免役組織学的方法による検討"精神薬療基金研究年報. 31. 50-57 (1999)
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[Publications] T. Ozaki, K. Mui, S. Yamagami: "Comparison of the effects of dopamine D1 and D2 receptor antagonists on nerve growth factor mRNA expression"Eur. J. Pharmacol.. 369. 133-143 (1999)