1997 Fiscal Year Annual Research Report
血小板のフィブリンへの粘着におけるインテグリンおよび非インテグリン受容体の関与
Project/Area Number |
09671142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
田上 憲次郎 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30014137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 紀子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30124431)
山口 敦美 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (70124500)
鈴木 英紀 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30158977)
青木 一正 (財)東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (10184029)
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Keywords | 血小板の接着 / 血小板の伸展 / フィブリン / 固相化フィブリノゲン / インテグリンα♯bβ3 |
Research Abstract |
イムノプレートのwellで、ヒトフィブリノゲン,トロンビン,およびCaCl_2を混合して、フィブリンを作成した。非特異的な粘着部位は0.3%ウシアルブミンにてブロックした。比較のために同じプレートに固相化フィブリノゲンをも作成した。蛍光色素(BCECF-AM)を負荷したヒト血小板をHEPES-Tyrode液にて洗浄し、同液に最終浮遊させた。粘着時の擬集を避けるために血小板数は5×10^4/mlに調整した。洗浄血小板液100μlをのせ、37℃にてincubateして非粘着血小板を捨て、残存の血小板を蛍光リーダーにて測定した。これまで以下の成績を得た。 (1)1時間の粘着時間で、フィブリン面には15.7±2.3%(M±SD,n=11),固相化フィブリノゲンには11.3±1.2%(n=5)の血小板が粘着した。 (2)血小板の擬集の阻害能を有する抗β3(GPIIIa)モノクローナル抗体T74は、血小板の固相化フィブリノゲンへの粘着を、対照の4.7%にまで低下させた。ところがフィブリン膜表面への粘着は対照血小板の79.8%にまで抑制するにすぎなかった。 (3)血小板の洗浄過程で、4mM EDTA 37℃で1時間処理すると、血小板のintegrin αIIbβ3は不可逆的に解離してその機能(特に擬集機能)を喪失する。固相化フィブリノゲンへのこのEDTA処理血小板の粘着は、対照血小板の24.9%にまで低下する。ところがフィブリンへのEDTA処理血小板の粘着は、非処理血小板の79.5%を維持していた。 (4)走査電子顕微鏡観察すると、フィブリン表面は密に交叉した直径30-70nmのフィブリン繊維から成り立っていた。EDTA非処理の血小板はこの上に長い偽足を伸長して伸展していた。EDTA処理後の血小板は変形反応は起こすが、伸展は全く起こさなかった。
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Research Products
(1 results)