1997 Fiscal Year Annual Research Report
MRL/lprマウスにおけるC1q結合性免疫複合体の構成とその病因的意義
Project/Area Number |
09671152
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上床 周 東京大学, 保険管理センター, 講師 (30133078)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / MRL / lマウス / 免疫複合体 / 自己抗体 / C1q / 抗DNA抗体 / C1qコラーゲン部 |
Research Abstract |
研究代表者は、C1q固相法によってSLE血清中に検出されるC1q結合性物質が免疫複合体ではなくC1qコラーゲン部に対する自己抗体であり、しかもこの自己抗体がC1qを介して腎糸球体に沈着することをこれまでに明らかにしてきた。また、代表的なループスマウスでありC1q結合活性が高値を示すMRL-1pr/1pr(MRL/1)マウスにおけるC1q結合性IgGは、ヒトSLEとは対照的に、C1q結合性大分子量免疫複合体より成ることを明らかにした。さらに、HPLCゲル濾過によって分子量が100万を越える大分子量免疫複合体であること、およびssDNA-およびdsDNA-セルロースカラムに吸着されたことより、抗DNA抗体によって構成される免疫複合体であることを同定した。しかし、DNaseI処理によってそのC1q結合活性が喪失しなかったことから、DNA以外の抗原の関与が想定された。 そこで、本研究では、この大分子量免疫複合体を構成する抗原の同定を試み、陰性荷電物質などの抗原として存在する可能性を検討した。 ラミニン、コラーゲン各型についてはELISA法によって検討した。またグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ハパリン、ヘパラン硫酸)については酵素消化によるC1q結合活性の変化によって検討した。しかし、MRL/lマウスにおけるC1q結合性大分子量免疫複合体におけるこれらの物質の関与を示す所見は得られなかった。そこで、現在、各種の脂質の関与について検討中である。
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