1998 Fiscal Year Annual Research Report
確立した移植免疫寛容における胸腺上皮細胞の役割と誘導された抑制・調節T細胞の解析
Project/Area Number |
09671204
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Research Institution | TOHOKU University |
Principal Investigator |
藤盛 啓成 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (50238622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 悟 東北大学, 医学部附属病院, 助手
織井 崇 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20282048)
桜田 正寿 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (40292320)
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 助教授 (40213673)
土井 秀之 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (90188839)
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Keywords | 胸腺上皮細胞 / オキシトシン / バンプレシン / lusulin-lite growth factor |
Research Abstract |
樹立した胸腺上皮細胞の胸腺内移入により、膵ラ氏島・皮膚移植片が長期に生着した。この胸腺上皮細胞の免疫寛容に関する特異性を研究した。胸腺上皮細胞の形態を光顕・電顕で確認し、サイトケラチンや神経内分泌ペプタイドに対するモノクローナル抗体を用い免疫組織学的に検討した。また、サイトカインの産生を検討した。In vitro培養で典型的なモザイク状配列を示した。電顕では、細胞内に豊富なトノフィラメントやミトコンドリアが認められが、粗面小胞体は少なかった。大きい細胞質突起が認められ、個々の細胞はよく発達したデスモゾームによって接着している。このように、上皮細胞の典型的な形態を持っていることが判明した。免疫組織染色では、MHC class-I,-II,ケラチン、オキシトシン、バソプレシンやinsulin-like growth factor(IGF)-IIが陽性であった。IGF-1は陰性であった。次に、interleukin-3(IL-3)依存性の細胞株FDC-P2を用い、WEHI-3培養上清をコントロールとし、また、骨髄細胞を用い、マウス肺培養上清をコントロールにし、IL-3とCSAのbioassayを行った。この結果、IL-3とCSAの産生が認められた。Kupffer cellやmacrophageの除去をliposome-encapsulated dichromethylene disphosphonate(LE-Cl2MDP)を用い、膵ラ氏島・皮膚移植片モデルで検討したが、有意な効果は認められなかった。しかし、肝移植モデルでは、移植片のKupffer cellやレシピエントのKupffer cellや脾のmacrophageを除去することにより、移植片の生着延長することができた。免疫寛容実験モデルで、TCRのV領域のサブファミリーを調べた結果、欠失は認められなかった。 本研究により、胸腺上皮細胞株が神経内分泌ペプタイドを持つことや免疫寛容を誘導できることから、胸腺上皮細胞の特異性が示された。
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