1997 Fiscal Year Annual Research Report
ステント植え込みにおける血管内膜増殖に関する実験的研究
Project/Area Number |
09671386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
星野 俊一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60045630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高瀬 信弥 福島県立医科大学, 医学部, 助手
佐戸川 弘之 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70226025)
猪狩 次雄 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50045796)
岩谷 文夫 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90045758)
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Keywords | 血管内膜増殖 / ステント / 慢性実験 / 血管内エコー |
Research Abstract |
雑種成犬6頭(平均体重14.2kgを用い、両側総腸骨動脈を血管内エコーにより観察し径6mmの部位を選択した後、一側には6mm径のZ-stentを、対側には8mmのZ-stentを植え込み、薬物非投与慢性実験を施行した。3頭を植え込み1ヶ月経過後屠殺、残る3頭を3ヶ月経過後屠殺した。屠殺前に血管内エコーにてstent部位の血管径計測と内膜肥厚、血栓形成の有無等の観察を行い、全層を摘出し、病理組織学的検討のための標本を作成した。 結果:肉眼的所見;1ヶ月後屠殺群ではstent留置部位の血管内表面は白色調を呈し、薄く内膜の増生が始まり、ステントの両端に赤色血栓の付着を認めた。3ヶ月後屠殺群では、内膜増生は進展するも、血栓は消失していた。血管内エコー所見;stent植え込み後、1ヶ月後の時点で既に内膜の増生を示唆する低エコー領域がステントを覆っている所見が得られた。3ヶ月後では低エコー領域が1ヶ月後に比較して厚い傾向があった。これらの所見は宿主血管径とstent径が1.0ないし1.3倍径のstentの留置にかかわらず、両群に認められた。 現在、同様の条件で、Palmaz stentの留置慢性実験を開始した。また、stent留置前に、留置部位を血管形成用のバルーンを用いて、正常血管径の2倍に拡張することで血管傷害モデルを作製した後に、同様にstent留置を行う実験も始めた。雑種成犬6頭(平均体重16.5kg)に施行し、現在までに、植え込み後1ヶ月経過屠殺3頭がえられ、肉眼的所見および血管内エコー所見は非傷害実験と同様であり、バルーン傷害についての病理組織学的検討を行っている。
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