1998 Fiscal Year Annual Research Report
マトリックスメタロプロティナーゼ阻害剤による肺癌肺転移治療に関する実験的研究
Project/Area Number |
09671400
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
齊藤 幸人 関西医科大学, 医学部, 助教授 (50131438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄村 裕三 関西医科大学, 医学部, 助手 (70298868)
大宮 英泰 関西医科大学, 医学部, 助手 (70309219)
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Keywords | MMP / MMPインヒビター / 転移性肺腫瘍 |
Research Abstract |
マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤による肺癌肺転移治療に関する実験的研究 当初予定していた佐藤肺癌細胞を用いたDanliyuラット肺転移モデルによる実験では実験ラットが佐藤肺癌により死亡する頻度が極めて高く転移モデルとして適当でない事が判明した.従って,使用腫瘍細胞をラット結腸癌由来のRCN-9(移植ラットはF344ラット)に変更した.しかし,次の問題が発生した.F344ラット静脈内にRCN-9細胞を注入しても肺転移は殆どのラットで着床せずラット肺転移モデル作成の段階で実験に行き詰まった.しかし,次善策としてRCN-9細胞をF-344ラット肺に直接移植するopenlunmgijection法を用いて単発性の肺腫瘍モデルを作製したところ肺腫瘍の生着に成功した.この方法で行えば70%以上はラット肺腫瘍モデルが作製出来るようになった.しかし,当初の実験計画における血行性肺転移モデルと異なるモデルになり,栄養血管が肺動脈か気管支動脈か判定が困難なところであるが,このモデルを使用して実験を始めた.【1】 openlung injection法によって作製した肺腫瘍モデルラットに抗癌剤CDDPを用いて一側肺動脈投与治療を行った.対照は一側肺動脈生理食塩水投与群である.この実験ではCDDP一側肺動脈投与群の腫瘍発育は対照群に比し有意に抑制されていた. 【2】 腫瘍血管の生体顕微鏡による観察は血行性転移モデルと異なり,一度開胸したラットでの肺腫瘍観察である事から再開胸後の顕微鏡観察の際,肺表面の血管が剥離による損傷を受け血管網からの蛍光剤の漏出があり,血流観察は極めて困難であった.open lung injectionで作製したラットモデルでの生体顕微鏡観察は観察の正確さの欠如からみて断念せざるを得ないとも考えている. 【3】 最終目標であるmatrix metalloproteinaseinhibitorによる一側肺環流治療は,当初予定していたBritish Biotech社のMarimastatの入手が手間取ったため実験が遅れ,本剤による抗腫瘍効果判定は現時点では結論に達していない.
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