1997 Fiscal Year Annual Research Report
単球遊走因子(MCP-1)を介したグリオーマに対する新しい治療法の開発
Project/Area Number |
09671430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
倉津 純一 熊本大学, 医学部, 助教授 (20145296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 徹 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00264309)
竹島 秀雄 熊本大学, 医学部, 助手 (70244134)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 講師 (70178218)
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Keywords | グリオーマ / マクロファージ / サイトカイン |
Research Abstract |
悪性グリオーマには著明なマクロファージの浸潤が認められ、悪性グリオーマに対する免疫反応と考えられる。私たちはこれまで、グリオーマにおけるマクロファージの浸潤機序とその意義について解明するためにヒト継代グリオーマ細胞が産生・分泌する単球遊走因子(Monocyte Chemoattractant Protein-1 : MCP-1)を分離・精製し、そのアミノ酸およびDNA配列を明らかにした。またグリオーマ細胞から産生されたMCP-1により腫瘍局所に浸潤したマクロファージがグリオーマ細胞の増殖を抑制していることを明らかにし、MCP-1を利用した悪性グリオーマに対する新しい治療法の確立に向けて研究を行ってきた。すでにin vivo electroporation methodによるMCP-1遺伝子導入を行うことにより腫瘍抑制効果が明らかになったが、その効果をさらに増強させる目的で今回、MCP-1受容体の発現を増加させる目的でMCP-1受容体遺伝子のクローニングとプロモーター領域の解析を行った。この結果、このプロモーター領域には組織特異的な転写因子の結合モチーフしか認められず、プロモーターに対する刺激物質はと規定できなかった。一方で、転写開始点近くの比較的狭い領域が組織特異性なみならず発現を規定しており、さらに転写因子Oct-1が重要であることがわかった。 今回さらにグリオーマ局所に浸潤したマクロファージが強力な血管新生作用を示すtyrosine phosphorylaseを発現していることを明らかにした。グリオーマ由来のMCP-1に反応して浸潤したマクロファージがグリオーマ局所の血管新生にも関与していることを示唆しており、今後、グリオーマにおける血管新生抑制の方向からも展開できると考えられる。
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[Publications] Nishi T.: "Treatment of cancer using pulsed eletctric-field in combination with chemotherapeutic agents or genes" Human Cell. 10(1). 81-86 (1997)
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[Publications] Yamashiro S.: "Intradermal injection of monocyte chimoattractant protein-1 induces emigration and differentation of blood monocytes in rat skin" Achive Immunol. (印刷中). (1998)