1997 Fiscal Year Annual Research Report
加齢による揮発性麻酔薬の感受性変化とその分子生物学的機序の解明:GABA作動性抑制性シナプス伝達に関して
Project/Area Number |
09671559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内田 一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00232843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
竹之下 真 大阪大学, 医学部, 講師 (00144486)
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Keywords | GABA_A受容体 / 揮発性麻酔薬 / 加齢 / 分子生物学 / パッチクランプ / 再構成系 / サブユニット / 卵母細胞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウス海馬スライス標本を用いて、(1)ホールセルパッチクランプ法にてGABA作働性抑制性シナプス伝達(抑制性後シナプス電流:IPSC)に対する揮発性麻酔薬の増強作用をマウスの各週令について調べる。(2)加齢による増強作用の変化の分子レベルでのメカニズムを明らかにするために、各週令に応じてGABA_A受容体サブユニットの組成変化をシングルセルRT-PCR法にて定量的に評価し、(1)の結果との関連性を評価する。(3)(1)と(2)の結果より、特定のサブユニット組成を再構成GABA_A受容体系にて発現させ、GABA_A受容体に対する揮発性麻酔薬感受性の加齢依存性変化とそのサブユニット組成変化の直接因果関係を証明する。 本年度は、目的(1)であるマウス脳海馬切片より、ホールセルパッチクランプ法にて抑制性後シナプス電流(IPSC)を記録、解析する方法を確立した。潅流液にAP5(NMDA antagonist)、CNQX(non-NMDA antagonist)を加えることによって興奮性シナプス伝達をブロックし、抑制性シナプス伝達のみを測定した。-80mVでのvoltage clamp下、巨大抑制性後シナプス電流(giant IPSC)、TTX存在下で微小抑制性後シナプス電流(mIPSC)を記録し、揮発性麻酔薬(イソフルランとセボフルラン)1および2MACの影響を調べた。すべてのデータは、データレコーダーに記録し、オフラインにてコンピューターにてIPSCのpeakとdecayを測定し(麻酔薬の影響をマウスの各週令で比較する。また、目的(3)である再構成GABA_A受容体系の基礎実験として、種々のサブユニットmRNAを組み合わせて、卵母細胞に注入し、注入48時間後に、2電極電位固定法にてGABA誘発Cl-電流を測定する実験系を確立した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sakae Fukami, Ichiro Uchida, Takashi Mashimo, Makoto Takenoshita, Ikuto Yoshiya: "Gamma Subuit dependent medulation by nitric oxide (NO) in recombinant GABA_A receptor." Neuro report. 9・6(in press). (1998)
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[Publications] 内田一郎、妙中信之: "プロポフォールの薬理作用" ICUとCCU. 22.4(印刷中). (1998)