1997 Fiscal Year Annual Research Report
出血性ショックにおいてNO合成酵素阻害が臓器血流分布に及ぼす影響
Project/Area Number |
09671586
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤岡 丞 帝京大学, 医学部, 助手 (00276768)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 和夫 帝京大学, 医学部, 教授 (30082093)
稲田 英一 帝京大学, 医学部, 教授 (40193552)
船山 忠久 帝京大学, 医学部, 助手 (70238658)
水本 靖 帝京大学, 医学部, 助手 (20190663)
|
Keywords | 出血性ショック / 一酸化窒素合成酵素阻害剤 / 臓器血流分布 |
Research Abstract |
イヌ出血性ショックモデルにおいて、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤の投与が全身の臓器血流分布に及ぼす影響を、放射性マイクロスフェア法を用いて検討した。イヌ16頭を対象に、脱血により平均血圧40mmHgを90分間維持した後、NOS阻害剤L-NAME10mg/kg(L-NAME群)おび生理食塩水(コントロール群)を投与した。放射性マイクロスフェア法を用いて、ショック前およびL-NAMEもしくは生理食塩水投与15分後の臓器血流分布を測定し両者を比較した。ショックに伴う血流分布の変化に両群間で有意差を認めた臓器はなく、L-NAME群でも脳、心臓への血流シフトは保たれた。ただし肝臓においてコントロール群で見られた血流分布率増加がL-NAME群では見られず、出血性ショックにおけるNOS阻害剤投与が肝臓には不利である可能性もあると考えられた。以上の結果については「循環制御」誌に投稿し掲載された(18;541-547、1997)。また内容の一部を第44回日本麻酔学会(平成9年4月、新潟市)において発表した。 また最近生理的血管作動性ペプチド、アドレノメデュリンがエンドトキシンショックの病態に関係しているとの報告があるが、出血性ショックにおけるこの物質の関与についての研究を計画した。イヌ出血性ショックモデルを作成し動脈血中のアドレノメデュリンの変化を測定した。現在動物実験は終了しており、来年度はデーターの解析を行う予定である。
|