1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671611
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大島 博幸 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (60013934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健次 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (20107246)
木原 和徳 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (40161541)
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Keywords | 陰茎 / 勃起消退 / 交感神経 |
Research Abstract |
陰茎勃起の消退を支配する交感神経経路の解析において平成10年度は以下の結果を得た。1)勃起消退を支配している交感神経の検討 陰茎海綿体への主な交感神経経路の検討である両側下腹神経を部分切除した慢性犬において、術後12カ月以内の自然観察で持続勃起などの勃起消退障害は5頭いずれにおいても認められなかった。各イヌの用手的陰茎刺激にて完全勃起を生じさせたのち、刺激を中断しても持続勃起とはならず、数分以内に非勃起状態に戻った。以上の結果は陰茎勃起の消退は中枢からの主たる交感神経経路が遮断されても大きな影響を受けないことを示している。2)勃起を惹起する骨盤神経の再建の検討 陰茎の勃起は骨盤神経により惹起されるので、骨盤神経を切断後すぐに縫合し骨盤神経の陰茎海綿体への機能が温存されるか検討したところ、再建した骨盤神経の刺激で陰茎海綿体内圧が上昇することが確認された。また、骨盤神経を切断して断端同士の中間に下腹神経の一部を挿入して再建したところ同様の結果が得られた。3)陰茎海線体に至る全交感神経経路の遮断による勃起及び勃起消退に対する影響 陰茎への感神経経路は両側下腹神経および両側腰仙部交感神経幹のみであり、これらを部分切除した慢性犬において、術後10カ月以内の自然観察で持続勃起などの勃起消退障害は5頭いずれにおいても生じなかった。各イヌの用手的陰茎刺激にて完全勃起を生じたが、中断しても持続勃起とはならず、数分以内に非勃起状態となった。以上の結果は陰茎勃起の消退は中枢からの全交感神経経路が遮断されても大きな影響を受けないことを示している。4)大内臓神経-副腎髄質系(内分泌系)の勃起消退に対する反応 大内臓神経の刺激で骨盤神経誘発の勃起が抑制される所見を得ており,ストレスと勃起障害との関連が想定された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K. Kihara et al.: "Sympathetic efferent pathways projecting to the vas deferens." Microsc. Res. Techiniq.42. 398-408 (1998)
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[Publications] K. Sato et al.: "Spinal cord segments controlling the canine vas deferens and differentiation of the primate sympathetic pathways to the vas deferens." Microsc. Res. Techiniq.42. 390-397 (1998)
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[Publications] K. Kihara et al.: "A new cosmetic or chiectomy for prostatic carcinoma : Insertion of pedicled fibro-fatty tissue graft in the lumen of the tunica vaginalis." Eur. Urol. 34. 210-215 (1998)
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[Publications] K. Kihara et al.: "Preservation of ejaculatory function by reconstruction of the canine hypogastric nerve." J. Neurosurg.88. 726-733 (1998)
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[Publications] 木原和徳: "骨盤内手術における性機能の温存" 泌尿器外科. 10. 255-256 (1997)
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[Publications] 木原和徳: "バイアグラ時代における勃起障害:射精障害" 臨床と研究. (印刷中). (1999)
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[Publications] 木原和徳: "性機能障害の臨床" 南山堂, 283 (1998)
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[Publications] 木原和徳: "新図説臨床泌尿器科学講座" メヂカルビュー社(印刷中), (1999)