1998 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍発生を伴う多嚢胞化萎縮腎モデルの作成及び増殖因子の作用機序に関する研究
Project/Area Number |
09671633
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
藤田 潔 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10145089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 祥華 香川医科大学, 医学部, 助手 (30274286)
武田 繁雄 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10227027)
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Keywords | ACDK / RCC |
Research Abstract |
後天性腎嚢胞(ACDK)に腎細胞癌(RCC)が発生しやすいことは、臨床的には既知のことである。今回我々は、その動物実験モデルを作成している最中である。SD-RATを50匹購入し、4群(15匹×3群、5匹×1群)に分けた。第1群には肝細胞癌、膵臓癌のほかに腎細胞癌が発生しやすいとされているストレプトゾトシン(SZ)を100mg/匹、経口投与した。第2群にはACDKが発生しやすいとされる蓚酸ナトリウム(OxNa)を160mg/匹、経口投与した。第3群にはSZ100mg/匹とOxNa160mg/匹を投与して、ACDKにRCCが発生しやすいか、そのモデルとした。第4群にはコントロール群として何も投与しなかった。経過観察中、第1群と第3群にはSZによる耐糖能異常考えられる多飲、中枢神経症状が見られた。投与開始3ヶ月後、ACDK,RCCの発生が見られるか確認のため、第1〜3群の5匹ずつから腎臓を摘出した。肉眼的に観察したところ、まだ腫瘍は発生していなかった。今後、摘出した腎臓のミクロ的観察を計画している。またRCCの倍化時間が他の腫瘍に比べ1年と長いことより、ACDKベースにRCCが発生していたとしても十分に観察できるほど大きさではない可能性があるので、第1〜3群の残り計30匹を長期飼育して、後日改めて腎臓を摘出し腫瘍の存在を確認したいと計画している。その際の確認方法としては、OxNaが近位尿細管に沈着すること、RCCが尿細管から発生することより免疫染色で近位尿細管の変化を中心に捕らえていきたいと考えている。
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