1999 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍発生を伴う多嚢胞化萎縮腎モデルの作成及び増殖因子の作用機序に関する研究
Project/Area Number |
09671633
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Research Institution | KAGAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤田 潔 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10145089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 祥華 香川医科大学, 医学部, 助手 (30274286)
武田 繁雄 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (10227027)
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Keywords | 多嚢胞化萎縮腎 / 腎細胞癌 / ストレプトゾトシン / シュウ酸カルシウム |
Research Abstract |
1 研究の目的:長期透析患者において,透析期間の延長とともに,後天性腎嚢胞及び多嚢胞化萎縮腎が発生し,さらに高い頻度で腎細胞癌が発生するという,臨床的な大きな問題が生じている。しかしながら,現在その発生機序は不明確で,またその適切な動物モデルは作成されていない。そこで我々は,腫瘍発生を伴う多嚢胞化萎縮腎モデルを作成するとともに,腎細胞癌の発生機序にいかに増殖因子が働いているかを検討する予定であった。 2 本年度の研究実績 (1)腫瘍発生を伴う多嚢胞化萎縮腎モデルの作成 Okawaは60mg/kgのstreptozotocin(SZ)をラット16匹に投与し,8匹に腎腫瘍が生じたと報告している。一方,小野はラットにシュウ酸カルシウム(OXCa)を投与し,早期に腎嚢胞が形成されると報告している。 今回我々は両者を参考に動物モデルを作成することにした。まずラット50匹を4群(A郡:5匹,B〜D群:15匹)に分け,A群をControlとし,B群にOXCa:50g,C群にSZ:0.6g,D群にOXCa:50g,SZ:0.6gをそれぞれ90日間経口投与した。その結果,C群とD群に糖尿病性多飲が生じ,またB群とD群に後天性嚢胞が作成された。しかし,ラット腎には小嚢胞が散発したが,多嚢胞化萎縮腎は形成されず,また細胞内の核の変形などを認めたものの,腫瘍の発生を得ることはできなかった。 (2)組織中の増殖因子の同定 作成された動物モデルにおいて,嚢胞上皮と腫瘍組織内の増殖因子を検討する予定であったが,残念ながら前述のようにモデルの作成がならなかったため,検討は行えなかった。
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