1998 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨密度と骨髄機能維持に対する顎運動機能の影響について
Project/Area Number |
09671928
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 卓 長崎大学, 歯学部, 教授 (30172406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 美佐 長崎大学, 歯学部, 助手 (90284702)
角 忠輝 長崎大学, 歯学部, 助手 (80284701)
泉 雅浩 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (40212956)
米津 康一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70167039)
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Keywords | 骨髄 / MRI / 骨密度 / 下顎骨 / 咬合力 / ホルモン / 性差 |
Research Abstract |
前年度に引き続いて健常者の顎関節突起部の骨密度と咬合力との相関ならびに全身、特に腰椎骨体部における骨密度との相関を、対象人数を増やして調べた。その結果は前年度に得られた結果とよく一致した。すなわち、1)女性においては顎関節突起部の骨密度と腰椎骨体部骨密度とは高い相関を示すこと、2)男性においては、女性と比べて上記の相関は低く、むしろ咬合力との相関係数がより高く出たことである。 更に今年度の研究では、(a)顎関節骨塩量、(b)咬合力と(c)顎関節突起部における3次元的な骨梁構造との相関についても検討を加えた。その結果、顎関節突起部の3次元的な骨梁構造は咬合力と密接な関連を有していることが示唆された。すなわち、正常顎関節突起においては、20歳台を頂点として、骨密度が増加するにつれて、縦方向の骨梁がその長さを伸ばし、それと同時に各々の骨梁もその太さを増加させる。一方、歯が永久歯へと変わる頃に合わせて横方向への骨梁成分が増加し、縦方向、縦方向の骨梁同士を連結させるようになる。40歳を過ぎる頃から、まず横方向の骨梁が消失し、ついで縦方向の骨梁がその厚みを減じてくる。これらの変化は特に閉経後の女性では縦方向の骨梁の厚さの減少として表れやすく、男性ではその咬合力の減少、すなわち残存歯数の減少と共に横方向の骨梁成分が失われてくる。 以上の結果より、1)男性と女性とでは骨密度維持のメカニズムが異なること、2)また咬合力が骨梁構造の3次元な緻密化に大きな役割を果たしていることが示唆された。
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[Publications] T.Nakamura,他3名: "Mandibular condyle BMD measurement by quantitative CT:A genderrelated difference in correlation to the spinal BMD" Bone. 21. 441-445 (1997)
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[Publications] T.Nakamura, 他6名: "Discrimination of spinal fracture with various bone mineral measurements" Calcif Tissue Int. 60. 11-15 (1997)
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[Publications] T.Nakamura, 他5名: "Relationship of spinal fracture to bone density,textural,and anthropometric parameters" Calcif Tissue Int. 60. 240-243 (1997)
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[Publications] T.Nakamura, 他7名: "Spinal trabecular bone loss and fracture in American and Japanese women" Calcif Tissue Int. 61. 128-128 (1997)