1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671954
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊澤 俊次 岡山大学, 歯学部附属病院, 助手 (20273998)
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Keywords | 中枢疼痛抑制機構 / パッチクランプ法 / 孤束核 |
Research Abstract |
1,ラット延髄孤束核尾側部のニューロンをパッチし、電極ピペットから細胞体に陰圧あるいは陽圧を加え、あるいは高張、低張の人工脳脊髄灌流液に換えて、放電頻度の変化を測定し、まず浸透圧受容性ニューロンの同定を行った。 2,次に、パッチした浸透圧受容性ニューロンにNa^+チャネルのブロッカーとしてのcholine chlorideあるいはC1^-チャネルのブロッカーであるSITSを灌流液に加え、電極ピペットから細胞体に陰圧あるいは陽圧を加え、あるいは高張、低張の人工脳脊髄灌流液に換えて放電頻度の変化、evoked potential、チャネル電流の変化、さらにstep pulse injectionによる応答の変化を測定記録し、コントロールと比較した。その結果高張の人工脳脊髄液の灌流液に換えたとき、あるいは、陰圧をかけたときの放電頻度増加がcholine chlorideで抑制されるニューロンを発見した。また、逆に低張灌流液に換えたとき、あるいは陽圧をかけたとき放電頻度が減少するニューロンに、C1^-チャネルのブロッカーであるSITSを灌流液に加えることによって、放電頻度の減少が抑制されるニューロンを発見した。これらの結果から、高張灌流液あるいは陰圧によって細胞体が萎縮し、細胞膜にあるNa^+チャネルあるいは陽イオンチャネルが開くことが考えられる一方、低張灌流液あるいは陽圧の刺激でパッチした細胞体が膨潤し、C1^-チャネルが開くと考えることができる。このように、細胞体の膨潤あるいは萎縮によって細胞膜に存在するmechanosensitive ion channelが活性化されることが示唆されたので、さらにこれまでのデータの比較解析と共に、症例数を増やし、さらに関与チャネルの詳細な解析、確定を行う予定である。
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