1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09671981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長谷川 成男 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (70014074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 宏之 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (40199956)
栗山 實 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90134725)
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Keywords | アンテリオールガイダンス / 顎運動 / 咀嚼筋活動 |
Research Abstract |
顎運動は左右の顆路とアンテリオールガイダンスによって規定される。アンテリオールガイダンスの適否は、顆路に対してだけではなく、顎口腔系全体との調和という観点から評価されなくてはならない。本研究はアンテリオールガイダンスならびにその決定法に対する機能的検討を行うことを目的としている。第1段階として、まず被験者の咬頭嵌合位を変化させずに咬合器上で切歯指導板の角度が天然歯より10°、20°急傾斜になるような金属製のガイド装置を犬歯および小臼歯部に作製し、左右側方滑走運動時、咬頭嵌合位および左右側方咬合位での最大噛みしめ時、ピ-ナッツ咀嚼時における顎運動、筋活動を記録し比較検討を行った。顎運動は6自由度顎運動測定器ナソヘキサグラフにより記録し筋電図は左右側咬筋、側頭筋前腹、後腹より導出した。 その結果、側方滑走運動時では、側方歯牙指導要素を急傾斜にするほど切歯点の運動路は後下方に変化し、解剖学的顆頭中心点の移動距離は減少したが顆路角に大きな変化は認められなかった。噛みしめ時の筋活動については、側方歯牙指導要素を変化させても咬頭嵌合位での噛みしめ時にはほとんど変化がなかった。しかし、側方咬合位での噛みしめ時には犬歯に10°、20°急傾斜になるようなガイドを与えた場合、両側咬筋および作業側側頭前腹の筋活動量は減少し、犬歯から小臼歯にかけてガイドを与えた場合は、作業側側頭前腹および平衡側咬筋の筋活動量は犬歯のみにガイドを与えた場合と比較して増加した。咀嚼時の筋活動については、側方歯牙指導要素を急傾斜にすると、咬筋の筋活動の放電持続時間が増加した。これらの結果から顎機能を円滑に営む上に好ましい側方歯牙指導要素としての傾斜角および咬合様式があることが示唆された。
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