1997 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌とリンパ節転移におけるEpstein-Barr vinusの役割の解明
Project/Area Number |
09672055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大部 一成 九州大学, 歯学部, 助手 (80243955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利谷 幸治 九州大学, 歯学部, 助手 (60284519)
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Keywords | EBウイルス / 口腔癌 / 免疫組織学 |
Research Abstract |
Epstein-Barr virus(EBV)は、上咽頭癌、Burkittリンパ腫をはじめ近年では日和見リンパ腫、Hodgikin病、胃癌の病因的ウイルスとして注目を集めている。口腔領域は、EBVの感染・増殖部位であるが、感染レセプターや発症のメカニズムについてはいまだ不明な点が多い。 したがって、われわれは口腔癌患者を対象として口腔癌の消長とEBVの関連の有無と役割を明らかにするための研究に着手した。すなわちEBVのDNAの検出のためにEBV DNA in situ hybridazation(ISH)およびEBV PCRを行い、さらにEBVのmRNAを検出するためにEBV-encoded small RNA(EBER1)の発現をISHにて検出することとした。EBERは潜伏感染期に増殖し、EBV感染細胞のすべてに発現されると考えられている。また、細胞あたりのRNA分子数も多いため、比較的検出しやすいといわれている。 これらを凍結切片から検出する予定とし、平成9年度においては備品として購入したクリオスタットによる凍結切片の作製技術の習熟とISHにおける至適反応時間の設定について検討した。また、ISHの講習会や口腔腫瘍学会に参加し、技術や知識の習得を行った。研究の対象となるサンプルの収集は、ほぼ1年間で約35例のサンプルを収集した。 平成10年度においては順次、染色をおこない、分析と評価を行ってゆく予定である。さらに本年度も新たなサンプル20〜30例が対象症例に追加される予定である。
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