1997 Fiscal Year Annual Research Report
自家移植歯の生理的挺出と矯正移動に与える歯根膜保存状態の影響(インプラント法による位置測定と組織学的検索)
Project/Area Number |
09672096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
毛利 環 新潟大学, 歯学部, 助手 (10251836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 一郎 新潟大学, 歯学部, 日本学術振興会特別研
櫻井 直樹 新潟大学, 歯学部, 助手 (50251830)
濱本 宜興 新潟大学, 歯学部, 助手 (40231526)
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Keywords | 自家歯牙移植 / チタンインプラント / 矯正力 / 歯の移動 / 歯の挺出 / アンキロ-シス / インプラント法 / 組織 |
Research Abstract |
研究の目的は、歯根膜の保存状態の異なる自家移植歯の生理的な移動(挺出)と一定の矯正力を作用させた場合の移動をチタンインプラント法により骨内の不動の基準点を設定して計測し、移植歯周囲組織の組織学的な反応を明らかにすることである。 今回、研究の第一段階として、矯正力作用をさせる以前、すなわちインプラントと移植歯の埋入の方法の熟練とその後の生理的な移植歯の移動を検索した。 インプラント埋入術式は、骨内インプラントのネジ山を基準とするので、固定源としても不動である純チタンのスクリュー型インプラントを用いる必要がある。実験動物として今回はラットを用いたが、従来、ラットでは純チタンのスクリュー型インプラントを用いて、チタンインプラント法により骨内の不動の基準点としたり、歯の移動の固定源とした報告はない。今回、ラットにおける純チタンのスクリュー型インプラントの口腔内および頭頂骨部における埋入術式を確立し、術後経過と組織所見の検討を行っているが、良好な術後経過を示し、チタン周囲にオッセオインテグレーションを生じていることが一部確認できた。 一方、歯の移植実験は、ラットの上顎第二臼歯を口腔内と頭頂骨に移植する方法を行っている。予備実験ては、即時に移植を行った移植歯についても、移植歯の歯髄の感染に由来すると考えられる骨吸収と歯根吸収が広範に生じ、低位咬合を示唆する術後経過を示す例を確認したが、歯根吸収が広範であるため、長期の観察は不可能だと考えられる。水酸化カルシウム製剤による根管処置でも、急性炎症発現するので、ハイドロキシアパタイト製剤等によるマイルドな歯髄処置が必要であろうと考えられる。 この問題が解決されしだい、純チタンのスクリュー型インプラントと移植歯や健全歯との間に矯正力を作用させるとともに、移動量と周囲組織所見の分析を行う予定である。
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