1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672109
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
飯島 洋一 長崎大学, 歯学部, 助教授 (70094860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康弘 長崎大学, 歯学部, 助手 (10217086)
川崎 浩二 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (60161303)
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Keywords | 象牙質 / 脱灰 / 再石灰化 / ミネラル分布 / フッ素 |
Research Abstract |
自然の象牙質齲蝕のlesionにはsubsurfacelesionやsoftenedlesionなど様々なミネラル分布のタイプが存在することが報告されている。一方で象牙質の再石灰化はエナメル質とは異なり,再石灰化液中のフッ素濃度が高くなるとhyper-remineralizationが形成されることや,低濃度フッ素は再石灰化を促進しないという報告もある。本年度は脱灰象牙質lesionのミネラル量分布の違いによってフッ素濃度が再石灰化に及ぼす影響がどう異なるかをミネラルの量と分布という2面から検討した。すなわち,4種類のミネラル分布の異なる脱灰象牙質(no mineral type,ミネラル量の異なる2つのsoftenedlesion type,subsurfacelesion type)の再石灰化に対する0,2,10ppmフッ素の効果について検討した。その結果,1)no mineral lesion typeでは低濃度フッ素はlesion frontにおいてのみ再石灰化を促進したが,高濃度フッ素はlesion全体において再石灰化を促進した。2)2つのタイプのsoftenedlesionではフッ素は再石灰化ミネラル量を有意に促進しなかったが,再石灰化ミネラル分布の局在に影響を及ぼした。3)subsurfacelesionでは10ppmフッ素が再石灰化を有意に促進したが,これは主にlesion表層上にできたhyper-remineralizationの影響であり,lesion内の再石灰化に大きな影響を与えるものではなかった。これらのことからフッ素の効果は脱灰象牙質lesionのミネラル分布に依存することが示唆された。
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