1998 Fiscal Year Annual Research Report
6自由度顎運動再現ロボットの開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09672127
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Research Institution | Tsurumi University School of Dental Medicine |
Principal Investigator |
脇本 康夫 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00201153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴田 正彦 鶴見大学, 歯学部, 講師 (80089458)
桑原 洋助 鶴見大学, 歯学部, 教授 (30064348)
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Keywords | 顎運動シミュレーション / 顎運動解析 / ロボット / 6自由度運動 / 咬合解析 / 3次元座標変換 / ME機器 |
Research Abstract |
【研究目的】歯科医療における咬合機能の診断と治療を発展させるために、ヒトの顎運動を忠実に再現できる6自由度顎運動の可能な小型ロボットを開発することを目的に、本研究に着手した。平成10年度は、試作したロボットの機構部の精度向上と上下顎歯列模型の設置法の検討を行うことを研究目的とした。 【前年度試作ロボットの主な改良点】回転モータと角度センサを組み合わせた6台の駆動装置の動作精度を向上させた。ボールジョイントやリンクの構造体の剛性を高めた。歯列模型設置には磁石を用いたスブリットキャスト法を用いた。咬合接触時の破損を避けるためにエボキシ樹脂製歯列模型を用い、上顎歯列模型設置部には緩衝装置を設けた。ナソへキサグラフ(小野測器、JM.1000)を用いて運動測定時の標識治具から下顎模型セットプレートの3基準点の空間座標を光学的に位置転写することで被験者とロボットの座標系を一致させた。【結果と考察】ロボットの動作速度は、生体の1/3から1データごとまでが可能である。三次元測定器(Zeiss、UMC850S)による動作精度検定の結果、並進運動における運動方向の最大誤差は±0.1mm、回転運動における最大誤差は±0.24°であった。ロボットによる再現性をナソヘキサグラフで再度計測し、生体データと比較検討した結果、生体とロボットの運動軌跡は、ほぼ一致することが確認された。しかし、顎の限界運動を再現するには動作範囲が不足していた。6自由度顎運動再現ロボットを用いることによって、歯列模型による三次元的運動表示が可能となり、生体では直接視ることのできない後方歯や舌側部位の観察、また従来の咬合器にはない運動機能の観察が可能となった。今後は、頭蓋立体モデルや歪みセンサーなどを応用した顎運動検査装置へと発展させることが考えられる。本研究は、鶴見大学歯学会第48回例会にて発表した。
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