1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09672257
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
菊川 清見 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (90120146)
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Keywords | 活性酸素 / 酸化的ストレス / 高度不飽和脂肪酸 / 脂質過酸化 / 老化 |
Research Abstract |
VitaminE含量を揃えたn-3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)richの魚油またはn-6系多価不飽和脂肪酸(n-6 PUFA)richのサフラワー油を含む飼料をラットに6週間給餌した後、臓器(脳、肝、心、肺、,腎、脾、精巣、胃の8種)を摘出した。脳、肝、心、肺の総脂質中のPUFA組成はいずれもサフラワー油負荷ではn-6>n-3、魚油負荷ではn-3>n-6であり、食事脂肪中のPUFAの違いが臓器総脂質のPUFA絹成に反映していた。8臓器中のvitaminE量は、いずれも魚油摂取群の方がサフラワー油摂取群よりも若干低値だった。脂質ヒドロベルオシシド及びアルデヒド量はどの臓器においても両摂取群間で有意な差は認められず、臓器脂質のPUFA組成の違いは体内で受ける脂質過酸化には影響を与えないことがわかった。またSOD活性も両群間で差は無かった。両群の飼料に植物性ポリフェノールを添加して飼育したラットの臓器脂質のPUFA組成はポリフェノール無添加の場合とほぼ同様であったが、臓器中のvitaminE量は両群ともに高値だった。しかし過酸化脂質量はどの臓器においても減少することはなく、両群間でも差は認められなかった。SOD活性にも影響しなかった。植物性ポリフェノールはvitaminEの消費を抑制するが体内の脂質過酸化レベルを低下させることはできないと思われる。酸素分圧が低い体内では、VitaminEが十分に供給されていれば脂質過酸化は高進しないのではないかと思われる。
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