1998 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護のための在宅高度医療依存度支援におけるプロトコール作成に関する研究
Project/Area Number |
09672382
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天野 志保 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90292961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛久保 美津子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (90213412)
数間 恵子 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (10114258)
川村 佐和子 東京都立保健科学大学, 看護学科, 教授 (30186142)
平林 勝政 國學院大學, 法学部, 教授 (40086971)
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Keywords | 褥創管理 / プロトコール / 判断樹 |
Research Abstract |
[研究目的]実践現場における、有効性の高い「褥創管理」プロトコールを作成することを目的とし、先行研究により作成した「栄養状態の評価と栄養補給」および「組織への負荷の管理」判断樹(試案)の妥当性を評価し、改善を要する点について検討した。[研究方法]調査は、全国の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護婦計249名を対象とし、これまでの経験に基づいて、各判断樹(試案)の妥当性を評価するための自記式調査票を作成し、郵送調査を行った。[結果・考察]調査票は59票回収され(回収率23.7%)、すべて有効回答であった。対象者の平均年齢は40.0歳で、看護職としての平均通算就業年数は14.0年、訪問看護職としての平均通算就業年数は4.4年であった。また、各判断樹(試案)の妥当性については、何れに関しても、在宅では療養者の多くが高齢であること、医師が常駐しないこと、医療に必要な器材が必ずしもないことから、試案に提示した条件をすべて満たすことが困難であることが明らかとなり、したがって訪問看護婦のフィジカルアセスメントによる情報収集が重要であることが示唆された。また在宅では、その管理の多くの部分を介護者に委ねるため、介護能力の査定を充分に行い、それぞれに対応できるような、個別的指示に応用しうる判断樹を作成する必要があることが明らかとなった。さらに、介護者のいない独居老人においては、管理の様相が大きく異なり、アセスメント基準および管理方法等についても再検討を要することが明らかとなった。[まとめ]学術的な研究結果に加え、実践現場における臨床判断に基づいて試案妥当性の検討を行うことにより、さらに実際的なプロトコールが作成できる。プロトコールの質を高めることは「褥創管理」の質を向上させることに寄与し、また、プロトコールに基づいて訪問看護婦の教育を行うことにより、個々の訪問看護婦の能力による看護の差を減ずることもできる。今後は、さらに本判断樹の整合性を検討し、プロトコールとして具現化していくことが課題である。
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