1997 Fiscal Year Annual Research Report
入院高齢者の転倒予測に関するアセスメント・ツールの開発
Project/Area Number |
09672385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉手苅 英子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (70117571)
加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350)
牧本 清子 金沢大学, 医学部, 教授 (80262559)
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Keywords | 入院高齢者 / 転倒 / 骨量 / 筋力 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、入院高齢者の転倒を予測するためのアセスメントツールを開発することを目的として3年間にわたるものである。高齢者の転倒や骨折と下肢筋力は関連すると考えられるが、それについて実際のデータで示した報告は少ない。そこで今年度はアセスメント・ツールを作成するための文献検討や転倒予防用具の資料収集、測定用具の一つとして徒手筋力測定器を購入し、転倒しやすい入院高齢者の骨量や下肢筋力について在宅高齢者と比較検討した。 【方法】1)対象:入院高齢者はU老人専門病院や老人保健施設に入院(所)中の高齢患者128名(男27名、女101名、平均年齢83.0±6.9歳)と老人健康教室に継続的に参加している在宅高齢者85名(男15名、女70名、平均年齢72.2±6.4歳)である。2)方法:骨量の測定には超音波骨量測定装置ビーナス(住友kk)を用いて右踵部の骨梁面積率を求めた。筋力は徒手筋力測定器(OG技研)で坐位時での膝関節屈曲、伸展時の最大筋力を測定した。 【結果および考察】1.骨量(骨梁面積率)は入院高齢者は平均20.4±3.6(男性23.2±3.8、女性19.6±3.1)%であり、在宅高齢者は26.9±3.4(男性28.4±2.9、女性26.5±3.4%)であった。25%以下は骨粗鬆症の危険があるとされているが入協高齢者の大多数はその範囲内であった。 2.下肢の最大筋力は、入院高齢者は屈曲4.7±7.0(男性6.9±3.2、女性4.2±2.2)Kgであり、伸展は6.8±4.2kgであった。年齢別では70歳以下8.7±5.0Kg,71〜80歳は7.6±5.1、81歳以上は6.5±3.9Kgで年齢に従って低下傾向を示した。在宅高齢者は屈曲6.5±2.2(男性8.7±2.7、女性5.9±1.5)Kgであり、伸展15.6±3.7(男性17.8±4.4、女性15.0±1.5)Kgであった。 これらから入院高齢者は立位を保持する下肢の筋力が低下しており、骨粗鬆症者が多いので、乾倒後骨折に成りやすいことが、客観的に明らかになった。
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[Publications] 泉キヨ子 平松知子: "リハビリテーションを受けている入院高齢者の転倒に関する検討" 日本老年看護学会 第2回学術集会抄録集. 72 (1997)
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[Publications] 泉キヨ子,平松知子,牧本清子: "重心動揺および骨密度の経年的変化における高齢者の転倒予測に関する研究" 日本看護科学会誌. 17巻2号. 86-87 (1997)