1998 Fiscal Year Annual Research Report
入院高齢者の転倒予測に関するアセスメント・ツールの開発
Project/Area Number |
09672385
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
泉 キヨ子 金沢大学, 医学部, 教授 (20115207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉手苅 英子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (70117571)
加藤 真由美 金沢大学, 医学部, 助手 (20293350)
牧本 清子 金沢大学, 医学部, 教授 (80262559)
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Keywords | 入院高齢者 / 転倒 / 予測 / 看護者 |
Research Abstract |
【目的】今年度はアセスメント・ツールを作成するために(1)看護者はどのような転倒を予測しているか、また予測していないかを中心に看護者の転倒予測の判断の手がかりと実際の転倒について検討した。 【方法】1)対象:K市およびその近郊にある4つのリハビリテーション関連病院に入院中で調査機関の1年間に転倒したの65歳以上の高齢者の転倒場面104場面(転倒者64名)のうちの予測の有無が明確であった90場面(56名)である。遭遇した看護者は56名である。予測していた転倒(予測あり)は52転倒(57.8%)予測していなかった(予測なし)は38転倒(42.2%)であった。転倒者別にみると予測あり32名、予測なし31名であり、6名は両方に属していた。2)方法:転倒場面に遭遇した看護者に、転倒予測に関連したイメージ、転倒状況、転倒後の看護者の思いや行為などを調査用紙記入してもらい、それらを基に転倒予測の有無別に分析した。 【結果および考察】1.転倒場面や転倒者の概要:転倒場面は予測あり、予測なしともにベッドサイドが70%を占めていた。転倒者別では両群とも平均平均が77歳であり、脳血管障害が過半数を占めていた。2.看護者が転倒を予測している手がかり:手がかりとして多かったのは「患者が能力以上の行動をとることがある」が20例と最も多く、次いで「移動動作が不安定」、「転倒を繰り返している」の順であった。また「その日の精神状態が不安定」とした者も5例みられた。これらの判断が転倒を予測する手がかりの根拠になっていた。一方、看護者が予測していなかった患者が転倒したのは「動作が安定している」が20例と最も多かった。実際に転倒場面では移乗動作の失敗や方向転換時などであった。以上からこれらの要素をツールに活用していく方向性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 加藤真由美、泉キヨ子、他: "入院高齢者の転倒予測に関するアセスメント・ツールの開発(第一報)下肢筋力と骨量について在宅者と比較" 日本老年看護学会第3回学術集会抄録集. 58 (1998)
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[Publications] 平松知子、泉キヨ子 他: "入院高齢者における看護者の転倒予測と転倒との関係" 第18回日本看護科学学会学術集会講演集. 336-337 (1998)
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[Publications] 泉キヨ子、平松知子、山上和美: "高齢者の転倒予測に関する研究-重心動揺と歩行分析を通して-" 金沢大学医学部保健学科紀要. 22巻. 139-145 (1998)
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[Publications] 加藤真由美、泉キヨ子 他: "入院高齢者の下肢筋力と骨量に関する在宅高齢者との比較研究" 金沢大学医学部保健学科紀要. 22巻. 173-177 (1998)
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[Publications] 平松知子、泉キヨ子: "施設内高齢者の転倒-老人病院と老人保健施設の比較-" 金沢大学医学部保健学科紀要. 22巻. 179-1998 (1998)