1999 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者への睡眠に関する保健指導は十分になされているであろうか-加齢が睡眠に及ぼす影響を踏まえて-
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09672426
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Research Institution | JIKEI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
櫻井 尚子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80256388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 麻里 東京都豊島区池袋保健所, 主事
本間 紀子 東京都練馬区保健所桜台相談所, 主事
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Keywords | 睡眠 / 保健指導 / 高齢者 / 睡眠衛生 |
Research Abstract |
【目的】保健婦が行っている高齢者への睡眠に関する保健指導の実態と保健婦の意識を明らかにすることを目的に調査を実施した。【対象と方法】対象は、東京都保健所及び特別区の保健福祉分野に勤務する保健婦95施設162人(回収率58.2%)である。質問紙を用いて留め置き郵送法により、平成11年1月に行った。【結果】(1)保健婦の年齢は、23〜58歳平均35.4歳。保健婦歴は、1〜35年、平均10年である。(2)睡眠に関する相談を受けたことがある保健婦は91%であった。中高年の相談件数は、昨年に比べ増加したとする人が23%であった。ライフサイクル別にみると高齢者が77%と多く、疾患別では老人精神と一般精神が多かった。(3)相談内容は、痴呆患者の睡眠65%、睡眠薬63%であり、さらに、高齢者の睡眠の質に関する内容である。睡眠に関する一般相談窓口の役割を担いたいと73%が思っている。(4)保健婦が相談に対応するために必要とする整備や情報として、睡眠障害の専門外来のある病院リスト79%、睡眠に関する研修68%、相談用フローチャート・対応策リスト57%、保健婦が相談できる機関リスト54%、専門医師リスト53%をあげている。(5)欲しい情報内容としては、1.精神障害に関連した睡眠障害、2.睡眠薬や精神安定剤、3.加齢による睡眠変化、4.睡眠リズム障害、5.内科疾患関連の睡眠障害、6.不眠症、7.睡眠環境や睡眠習慣の順であった。【考察】保健婦が日常の相談業務の中で、睡眠に関する様々な相談を受けていることが明らかになった。情報が乏しく知識が不十分であると感じている保健婦の声が自由記載により多くあった。睡眠相談に対して、適切なアセスメントにより助言できるような知識を得るための研修や情報提供の整備、必要時には専門機関に相談できるようなシステム作りが求められている。
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Research Products
(1 results)