1998 Fiscal Year Annual Research Report
科学教育カリキュラムの編成システムに関する国際比較研究
Project/Area Number |
09680185
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Research Institution | UTSUNOMIYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥井 智久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60024965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 助手 (10218729)
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Keywords | 科学教育 / カリキュラム編成システム / KICE(韓国教育課程評価院) / 教育改革法 |
Research Abstract |
本年度は、イギリスを中心としながら、ヨーロッパ諸国の教育課程編成制度に関する文献資料を収集するとともに、わが国において欧米諸国の教育課程の研究を行っている専門家から事情聴取を進め、各国のシステムの比較検討を行った。また、アジア諸国のうち特に韓国に注目して、同国に1998年に創設されたKICE(Korea Institute of Curriculumand Evaluation,韓国教育課程評価院)が韓国の学校教育課程の編成と評価に果たす役割を分析した。 教育課程の編成システム・内容・方法等は国ごとに異なっており、それらは各国の教育に対する理念や伝統、歴史、国民的ニーズなどを反映して法的に、あるいは歴史的・自然発生的に定められてきている。世界のほとんどの国では、中央政府(教育担当省)がカリキュラムの法的な編成権を有し、中央政府によって定められた基準(わが国の学習指導要領に相当するもの)に基づいて、地方政府が地域の教育委員会や各学校の教育課程の監督・指導を行うという形態が取られている。一方、アメリカとドイツでは、教育課程の基準の編成権を地方(各州)政府がもっており、この点がその他の国との基本的な相違点となっている。また、イギリスは歴史的に教育に対する国家関与を回避してきたが、1988年の教育改革法により、ナショナル・カリキュラムを導入し、中央政府が学校教育のリーダーシップを取ることとなった。
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[Publications] 奥井智久: "小学校科学教育課程の構想" 日本科学教育学会年会論文集. 21. 25-26 (1997)
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[Publications] 奥井智久: "理科教育において社会教育施設等を生かす意義と方法" 理科の教育. Vol.46(8). 7-9 (1997)
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[Publications] 奥井智久: "新しい理科授業の創造とその視点" 理科の教育. Vol.47(2). 44-49 (1998)
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[Publications] 奥井智久: "総合的な学習に期待するもの" 初等理科教育. Vol.32(13). 24-37 (1998)
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[Publications] 人見久城: "プロジェクト2061におけるベンチマーク" 宇都宮大学教育学部教育実践研究指導センター紀要. Vol.20. 197-206 (1997)
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[Publications] 人見久城: "アメリカ科学教育界におけるカリキュラム改革の共通項" 日本科学教育学会研究会研究報告. Vol.13(4). 27-32 (1999)
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[Publications] 奥井智久他: "地球規模の環境教育" ぎょうせい, 269 (1998)