1998 Fiscal Year Annual Research Report
軽度精神遅滞児・学習障害児の高校教育の実態とその教育課程に関する研究
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09680244
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
細渕 富夫 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (10199507)
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Keywords | 精神遅滞児 / 学習障害児 / 高校教育 |
Research Abstract |
今年度は高校等に在籍する障害を持つ生徒の実態について公刊されている基礎的資料の閲覧・収集と訪問調査を行なった。訪問した自治体は宮城県、長野県、京都府、兵庫県、島根県等である。これらの県における全日制高校・定時制高校で学ぶ障害児の実態について資料収集とヒアリングを行なった。また各県の後期中等教育政策の動向について、公立図書館等で資料の閲覧・収集をおこなった。 その要点をまとめると、以下の通りである。 (1) 予備的調査では、高校に在籍する障害をもつ生徒の障害は肢体不自由、盲、聾が多く、知的障害児がきわめて少ないことが示された。これには高校入試がひとつの壁となっているようであるが、県が設定する目標進学率の壁も大きい。軽度の知的障害児が「障害児」としてではなく健常児として在籍しているケースも数例把握されたが、この実態を全国的に明らかにするのは、現段階では人権上の問題があり困難である。 (2) 障害児の高校進学においては、県教育委員会の方針、学校長の裁量が大きく関与することが上記の県において確認された。したがって学校長の意識調査も併せて行なう必要があり、その項目の検討をすすめた。 (3) 障害児が多数学んでいるいくつかの高校等については、その教育課程と指導法にどのような特徴がみられるか、今後訪問調査によりその実態を把握する必要性が明らかになった。 (4) 次年度実施に向けた調査表(第二次案)を検討した。回収率をあげるために、特徴的な県を抽出して調査し、事例的分析を行なう必要性が明らかになった。
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