1999 Fiscal Year Annual Research Report
学校健康教育における健康情報としての身体計測値の活用に関する研究
Project/Area Number |
09680245
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
小林 正子 国立公衆衛生院, 母子保健学部, 室長 (50262069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東郷 正美 鹿児島県衛生研究所, 所長 (70041283)
衛藤 隆 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (20143464)
田中 哲郎 国立公衆衛生院, 母子保健学部, 部長 (50159018)
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Keywords | 発育 / 身体計測 / 健康教育 / 肥満 / やせ / ローレル指数 / 児童・生徒 / ライフスタイル |
Research Abstract |
1.昨年度より埼玉県内小学校の養護教諭と研究会を持ち、身体計測値を活用した健康教育を行うための方法について検討を行っているが、本年度も2回の研究会を開き、その他随時電子メールで情報交換を行った。現在、身体計測を3ヶ月間隔で行い、測定値の差をとる方法(差分の検討)が簡便で有効な方法であるとの認識を得ている。また、夏休み中に体重が増えると肥満傾向が見られることから、実際にどの程度増加すると危険なのかを検討した。その結果、夏休み前の体重に対して10%以上増加したり、ローレル指数が10以上増加している場合には、よく観察し、夏休みの過ごし方なども聞く必要があるという意見が出された。 2.阪神淡路大震災の被害を受けた淡路島のある小学校から、毎月測定した体重のデータが1学年6年分入手できた。測定値の差をとると、日頃担任や養護教諭が心配していた児童ほど体重変動が著しいという結果が出た。時系列解析も行って、これらの児童の不規則変動が大きいことも確かめられたが、現場では差をとる方法が最も実用的であるとの結論を得ている。また、このような変動は震災から2年以上経ても続いており、精神的に大きな衝撃を受けた場合、その影響は周囲が考えるよりも長期間残ることが示唆された。 3.南北に長い日本列島の北から南までの子どもの身長・体重の変化について、季節変動に注目し、地域によってどのように変化するかを検討した。その結果、日本海側と太平洋側も関係するが、概ね北の地域では身長の季節変動が顕著で、南の地域では体重の季節変動が顕著であるという明確な結論が得られた。これは環境が発育に及ぼす影響であり、今後の健康教育において考慮される必要があると思われる。
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[Publications] M.KOBAYASHI,T.TANAKA,M.TOGO: "Diurnal Height Variation in Growth of Children"Journal of Gravitational Physiology. 6(1). 23-24 (1999)
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[Publications] 鈴木朗子,田中光子,小林正子,衛藤隆: "肥満・非肥満喘息児の発育についての縦断的研究"学校保健研究. 41(3). 212-222 (1999)
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[Publications] 小林正子,平澤勝治: "ローレル指数による戦後50年間の子どもの発育評価と体形指数に関するー考察"AUXOLOGY. 6. 37-41 (1999)